生菓子部門・金賞
作品名「Fantaisie kiri」 / 伏見雅一氏(東京都「ホテルグランパシフィックメリディアン」勤務)
「イタリア料理で使われているものをヒントにし、独創性を高めつつ考えた作品です」(伏見氏)。甘みのあるトマトやオリーブオイルスプレッド(オリーブ油のペースト)などを取り入れた斬新な組み合わせのケーキに仕上げた。ビスキュイ、キリ クリームチーズを使ったムース、オリーブオイルスプレッドを練り込んだ生地、コンポートしたトマトなどを重ねている。キリにはさっぱりとしたオレンジの風味を加え、全体のまとめ役として使用しているのもポイント。
ギフト菓子部門・金賞
作品名「アナナスタルトのkiriペッパー」 / 本多大海氏(大阪府「プチ・プランス」)
パイナップルとキリ クリームチーズを使ったタルト。黒胡椒も加え、甘みと酸味、スパイスのきいた夏向けの味わいに。キリは生地に練り込み、パイナップルはコンポートにして使用。仕上げに軽く炒った道明寺粉をのせ、おかき風の香ばしい味わいと食感をプラスした。「キリのクリームチーズをどう生かすかという点を重視しつつ、自分が食べたいと思うものを作りました。夏を思わせるパイナップルの味わいと、キリの濃厚さが好相性です。私が働いている店は地域密着型の菓子店なので、店で売る場合は幅広い客層に合うように、黒胡椒の割合を減らすなどの工夫をしたいと思います」(本多氏)。
ベーカリー部門・金賞
作品名「kiri Tomate duo」 / 星敏幸氏(東京都 パレスホテル勤務)
作品タイトルの通り、"キリとトマトの二重奏"をテーマにしたパン。トマトの甘みと酸味、キリ クリームチーズのクリーミーさを感じさせる。トマトジュースやトマトピュレを生地に混ぜ、フィリングにもセミドライトマトをキリと和えて使用。鮮やかなオレンジ色の生地とキリのコントラストも楽しい見た目に。トマトジュースやピュレを加えて生地が緩くなる分、インスタントドライイーストを多めに配合。エストラゴンで全体の味をまとめている。「キリはさいの目状にして生地にそのまま練り込む他、エストラゴンと混ぜてフィリングとしても使用しました。トマト味が強いので、お酒とも合うと思います」(星氏)。
どの入賞作もハイレベルな内容に驚かされるが、競技者たちが忙しい通常営業の合間を縫って作品を考案し、試作を重ねてきていたという事実にも感心する。今回の入賞作に関しては、アルカンのオフィシャルサイトにレシピが掲載される予定だという。料理好きな方は、個性豊かな各作品のエッセンスを自分の料理に取り入れてみてはいかがだろうか。