審査の結果、4部門を通じて最も優秀とされる作品におくられる最優秀賞は、アシェット部門で応募した猪瀬文俊氏(茨城県「レストラン ナチュラルセンス」勤務)の作品に決定した。
最優秀賞
作品名「Un parfum en mouvement ~été~ 」 / 猪瀬文俊氏(茨城県「レストラン ナチュラルセンス」勤務)
パッションフルーツのソースの上に、キリ クリームチーズを加えた生姜とカボス風味のプリン、マンゴーとライチのエマルジョンソースを重ねた。生姜のコンフィチュール(ジャム)やカボスの皮のクリスタリゼを飾り、アジアンなエッセンスをプラスしている。作品タイトルは、フランス語で"感動的な香り"の意味。混ぜて食べてもらうことを想定し、プリンは固まるか固まらないかといった非常にやわらかい状態になっている。提供してすぐに食べるというレストランのアシェットならではのやわらかさだ。審査員からは、「マンゴーの味がきいており、キリとのバランスもよい」と好評だった。
猪瀬氏は中華出身という経歴の持ち主。現在は、そば打ち担当の父、フレンチ担当の弟と共にレストランを営んでいる。様々なコンテストへ積極的に参加し、グランプリも多数獲得している。「アジアを意識した作品です。カクテルのモヒートのように、口に入れると香りが広がるようなイメージで作りました。コンクールへの応募は、自分の腕が鈍らないようにとの目的からです。今回参加したことで、異なるジャンルで働く料理人の方とも話ができ、非常によい経験ができました」(猪瀬氏)。
ここからは、ホテルからの参加者も多く、ハイレベルな作品が揃ったアシェット部門を中心に結果をお伝えしていく。
アシェット部門・銀賞
作品名「Moderne」 / 徳永純司氏(東京都「ザ・リッツ・カールトン東京」勤務)
「ベーシックな食材で新しい表現を」(徳永氏)との思いから、ホテルの通常営業で使う食材を使いつつ、斬新な内容のひと皿に。熱したソースを提供直前にかけてチョコレートを溶かすなど、楽しい演出効果もプラスしている。食後のデザートとしての爽やかさを、キリ クリームチーズの酸味で表現した。
アシェット部門・銅賞
作品名「Rencontre」/深瀬恵一氏(神奈川県「箱根ラリック美術館 レストランLYS」勤務)
和の野菜・ゴボウをキリ クリームチーズと組み合わせたユニークな試み。独特な土の香りを持つゴボウを、キリがまろやかに包み込み、全体をまとめている。棒状の成形も、ゴボウをイメージしたもの。飾りにも揚げたゴボウを使用。
アシェット部門・銅賞
作品名「cappuccino kiri」 / 笹本郁恵氏(東京都「まるうめ柳カフェ」勤務)
キリ クリームチーズの白さと軽やかな食感から、カプチーノの泡を連想。カプチーノカップを使用したかわいらしい一品となっている。キリを使ったヌガーグラッセなどを台にし、キリを加えたフォームをのせた内容で、やわらかい食感で統一しているのが特徴。クリームチーズをたっぷりと使いながらも軽い口当たりに。
アシェット部門・銅賞
作品名「bouchée Nougat kiri」 / 南部有代氏(東京都「ウェスティンホテル東京」勤務)
グレープフルーツとライチのグラニテの上に、キリ クリームチーズを使ったヌガーグラッセをのせている。作品名にあるbouchéeとはひと口の意味。スプーンですくって食べると、ひと口で様々な味が楽しめることからこのネーミングに。濃厚なクリームチーズを柑橘系フルーツと組み合わせることで、爽やかな後味を工夫。