「精英博客」から「草根博客」へ
中国互聯絡信息中心(CNNIC)が公表した「第20回 中国インターネット発展状況に関する統計報告書」によれば、2007年6月30日現在、中国の網民(インターネットユーザー)人口は1億6,200万人に達し、そのうち19.1%が「写博客(ブログを書いているユーザー)」なのだという。つまり、自分のブログを持っている網民が、すでに3,000万を越えている計算になる。
実はこれより高いデータもある。中国だけでなく世界的にも影響力を持つインターネット調査機関、iResearchが6月に発表した「iResearch 中国博客市場研究報告2006」は、中国におけるブログアカウント数が、昨年3,900万に達したと報告しているのだ。
また、零点研究諮訊詢集団が先月発表した「2007年 零点中印居民溝通指数報告(中国人とインド人におけるコミュニケーション指数に関する2007零点報告書)」によれば、中国都市部住民の9.6%が日常的にブログを読んだり、書いたりしている。そのうちの28.7%が自分のブログを持っており、ブログを公開している。残りの71.3%は自分のブログを持たず、もっぱら他人のブログを読んでいる。
中国のネット普及率が12.3%、ネット人口が都市部に集中していること、都市部住民の9.6%が日常的にブログを利用しているという実情からみれば、都市部網民のなかでブログを使用している比率はかなり高いレベルに達していると考えられる。この点からみれば、2002年から2003年にかけてブログが中国に導入された当初、ごく一部の精英(エリート)層に限られていた「精英博客(エリートブログ)」が、いまでは、すくなくとも都市部においては「草根博客(草の根ブログ)」に変わってきていると言えるだろう。
eMarketerの調査によると、中国語ブログは世界で8%のシェアをもち、全世界のブログ市場で第三位の座を獲得しており、世界的にみても大きな影響力を持つ存在になっている。
本レポートでは、強力な浸透力と広大な裾野をもつ中国のブログをとりまく現状と課題を、関係機関等の調査結果を活用しつつ明らかにしていきたい。