さまざまな状況下で撮影してみたが、顔認識機能はかなり便利で実用的な機能だと感じた。機械の苦手な人から、小さな子どもまでシャッターボタンひとつで顔をキレイに撮ることも可能だろう。しかし、認識機能の精度はメーカーによってかなり印象が違った。また逆光など撮影状況が厳しい状況ではまだまだ改善の余地もありそうだ。
メーカーによって精度のばらつきが見えた顔認識機能
今回、顔認識機能を7機種比較してみたが、性能が良いと感じたのは富士フイルムのF40fd。検出速度、認識する顔の角度だけでなく、絵づくりも好印象だった。IXY810とT100もF40fdに引けを取らない。IXY810は人肌が滑らかに処理されるらしく、顔がキレイに見えるのも良いと思った。T100はホワイトバランスが敏感に反応するのか、色の変化が気になったが、顔検出能力、ピント・露出制御は優秀だ。
A30は被写体に応じて「標準モード」「ポートレートモード」「風景モード」「夜景モード」に切り替わる「オートピクチャーモード」がおもしろいと思った。他のカメラでもフルオートでは同じようなことをしているはずだが、機能そのものが切り替わるのがいい。ポートレートに切り替わると、そこから顔認識もONになる。顔認識の精度も良かった。ただ露出制御はもう少し頑張って欲しいと思う。
可能性を感じたのは、カシオの「顔登録」や「登録優先モード」だ。顔を登録しておけば優先してピント合わせをするわけで、これが発展すれば、運動会などでも自分の子供だけに自動でピントを合わせ、場合によっては自動でズームも可能になるかもしれない。顔以外にもいろいろ使えそうだ。
顔認識の研究は何年も行なわれてきただろうが、一般に提供され始めたのはまだここ数年のこと。検出速度や精度もまだまだ向上するだろう。便利な撮影機能なので、これからの進化が楽しみだ。