前述の結果を受けて、次は双方にWindows XP SP2をインストール、HD Benchを採取(表3)、さらにはGPUを多用するものとしてゲームのベンチマーク2種類(表4表5)を実行してみた。

表3 「HD Bench 3.3」による計測結果

前モデル (MA611J/A) 新モデル (MA897J/A)
ALL 63321 68907
Integer 329983 338306
Float 217847 225255
MemoryR 178943 181042
MemoryW 97075 120319
MemoryRW 196835 239820
DirectDraw 59 29
Rectangle 19800 11663
Text 14730 18286
Ellipse 8819 2888
BitBlt 880 996
Read 23314 29115
Write 17020 23998
Copy 2653 3536

表4 「Vana'diel Bench 3」による計測結果

前モデル (MA611J/A) 新モデル (MA897J/A)
Low 8034 8233
High 5346 5393
評価 計り知れないPC 計り知れないPC

表5 「大航海時代Online ベンチマーク」による計測結果

前モデル (MA611J/A) 新モデル (MA897J/A)
解像度 800x600
グラフィック設定: ノーマル
575 491
262 282
340 292
1117 1065
解像度 1280x1024 32bit
グラフィック設定: 最高
232 310
154 184
209 192
706 686

HDbench 3.3(表3)でも結果は同じく、おおむね新モデル(MA897J/A)の方が性能がいいものの、グラフィック関連の一部の結果で逆転現象が発生している。Final Fantasy XIの公式ベンチマークである「Vana'diel Bench 3」(表4)では若干の差がついているものの、「大航海時代Online ベンチマーク」(表5)では逆に前モデル(MA611J/A)の方がよい結果が出てしまっている。

どちらについても、まだデバイスドライバ周りのチューニングが固まってないのではないかという印象を受ける。Radeon X1600はiMac等でも搭載実績のある、Appleから見れば枯れたGPUであるのに対し、GeForce 8600M GTは5月に発表された、NVIDIAとしてもモバイル向けでは初のDirectX 10対応GPUである。Mac OS Xネイティブも、BootCampに含まれるドライバもまだ十分に性能を引き出せていないとしても不思議ではない。

BootCampについてはそもそもまだβ版であり、Mac OS X自体も次期バージョンのLeopardではOpenGLを大幅に改善することがアナウンスされている。おそらくこのMacBook Proの本当の性能を引き出すのはLeopardとそれに付属するリリース版のBootCampを搭載してから、になるのだろう。

なお、ベンチマークの結果ではふるわないものの、実際の使用感は極めてよい感じだ。筆者が普段楽しんでいる「PHANTASY STAR UNIVERSE」(PSU)のクライアントを導入、遊んでみたところ、解像度1280x1024ピクセル、フレームスキップ0のハイエンド設定にしてもまったく快適に動作した。高解像度でフレームスキップのないなめらかなキャラクターの動きは、PlayStation 2版からみればもはや別のゲームだ。

「PHANTASY STAR UNIVERSE」。1280x960ピクセルという高解像度で各種エフェクトを最高にしてもまったくストレスなく楽しめる (C)SEGA

もちろん、ゲームのためだけに購入するには、MacBook Proはかなり高価なマシンなので専用機としてはお勧めできないが、出張先のホテルで夜、ちょっとした気分転換をするのにはもってこいといえる(筆者は実際、WWDC参加で滞在したサンフランシスコのホテルで夜な夜なPSUをプレイしていた)。