Apple版1000ドルPCといえるMac miniからエンタープライズ向け1UサーバであるXserveまで、Macのラインナップは幅広く存在する。ただ、他社の製品群とMacのラインナップには1つだけ違いがある。それは「すべての製品がメインマシン志向」であることだ。言い換えれば、Appleに「サブ」はない。どのMacも単体で動作することを前提としており、他の「メインマシン」の存在を必要としていない。
Windows PCの存在を前提、キーボードやディスプレイをPCから流用する事を前提とした「庇を貸して母屋を狙う」Mac miniも、価格性能比に優れ「デスクトップはWindowsだけど」といいつつ購入されるMacBookも、すべてのMacが光学ドライブを備えた妥協のないメインマシンモデルである。母艦を前提とした、サブノートのような製品はMacにはない。
そうしたカテゴリの製品は、iPodやApple TV、iPhoneのようにガジェットにしてしまうのがApple流なのだ。
そのAppleの思想を最も色濃く表したのが、17インチの液晶を搭載したハイエンドノートマシンのMacBook Pro(MA897J/A)だ。2003年発表のPowerBook G4 17インチより続くこの系統の製品は、その時期のノートに搭載可能な中でもっとも高速なCPUを搭載、広い液晶とそれを駆動するに十分なGPUを用意し、厚さ1インチ(2.59cm)のスリムな筐体でデスクトップに比肩する性能を叩き出してきた。
MacBook Pro 17インチ(MA897J/A) |
MacBook Pro 15インチ(MA895J/A、上)と、MacBook Pro 17インチ(MA897J/A、下) |
MA895J/A(上)とMA897J/A(下)の右側面 |
MA895J/A(上)とMA897J/A(下)の左側面 |
今回紹介するMA897J/Aは、そんな17インチモデルの最新機種にあたる。5月に発表されたばかりのCore 2 Duo T7700(2.40GHz)を搭載、標準2GB,最大4GBまでのメモリを搭載可能、VRAM 256MのGeForce 8600M GTを搭載したこのMacBook Proは、サーバ向けCPUであるXeonを搭載した「論外のデスクトップマシ」であるMac Proには1歩譲るものの、一般的なデスクトップPC相手なら十分に凌駕する性能を誇る。
さらに、BTOを行うことで、HDサイズの高解像度液晶が搭載可能だ。
今回は、この高解像度液晶を搭載したMac Book Proをお借りすることができたので、これを紹介したい。