iPhoneDevCampでは、iPhoneから見たWebサイトを以下の5つに分類していた。

iPhone互換 iPhoneで表示できる一般的なHTMLサイト
iPhoneフレンドリー iPhoneの表示領域に対応し、iPhoneでナビゲートしやすいサイト。例えばダブルタップを用いて効果的に内容を拡大 / 縮小できる。またはQuickTimeファイルがiPhoneに最適化されている
iPhoneオプティマイズド iPhoneを認識し、最適化された専用のWebページを提供する。iPhoneはCSS3の一部、Safari 2.0および3.0がサポートする独自のグラフィック機能などに対応する
iPhone Webapp iPhoneのタッチ操作を使いアプリケーションのように利用できるリッチなWebサイト
iPhone非互換 iPhoneで表示できないサイト。FlashやSVGなどiPhoneでサポートされていない機能が組み込まれている。または非常に幅広いColumnのサイトなど

iPhone向けのWebアプリ(iPhone Webapp)は、iPhoneのタッチ操作に対応し、電話機能、Mail、Mapsなどを利用できる。だが前述の通り、その実体はSafariで表示されるWebサイトなのだ。iPhone標準搭載のアプリケーションに比べると、Webアプリゆえの不便さが存在する。

まず利用に至るまでの手間が多い。標準アプリならスリープを解除すればホーム画面にアプリケーションのアイコンが並んでいるので、ワンタップで起動できる。だが、SafariをプラットフォームとするWebアプリは、Safariを立ち上げ、そしてブックマークから選択するなどしてアクセスしなければならない。ステップが多いし、時間もかかる。

またiPhoneではローカルにファイルを保存できないため、Webアプリを使用するたびにサービスにアクセスする必要がある。つまりネットに接続できない状況では、iPhoneアプリを使用できない。

さらに気になるのがID / パスワードの入力だ。Webアプリだけにユーザー認証が求められるものが多く、この手間を軽減するというのが課題の1つ。iPhoneDevCampではOpenIDの利用が議論されていた。またID / パスワードを渡すこと自体にリスクを伴うという問題がある。サービスによってはGoogle IDなどでサインインして利用する。その際、情報の安全は守られているのか。Webアプリを提供するサービスの信頼性をユーザーが判断できる仕組みも求められる。