ラウンドテーブルの後半は、Accenture、PricewaterhouseCoopers、Mercer Oliver Wyman、Deloitte and Toucheといったコンサルティングファームによる活発な議論が行われました。日本企業へのアドバイスとして次のような意見がありました。

図5 米国コンサルティングファームからの日本企業への助言

Deloitte Touche Tohmatsuからは「過去のプロセスをそのまま引きずるのはよくない。米国の成功事例から学ぶこと。目的の明確化が重要」とのアドバイスがありました。

この発言に対して司会者から「現状日本ではJ-SOXが明確になっていない状況で横睨みの日和見状態にあるが、どうやって目的を明確化したらよいか?」という質問がなされました。

Mercer Oliver Wyman(現Oliver Wyman)からは「明確な規則など実際にはない。明確なのは集積された知識と経験であり、これらは公開されているので学ぶように。またさまざまな観点での目的があり、株主価値最大化目的と当局規制目的を混ぜてしまうと失敗する可能性が高い」という発言がありました。J-SOXは財務報告の信頼性確保が目的ですから、それ以外のリスクへの対応はJ-SOX対応の中では行う必要がなく、逆にやるべきではないともいえます。

提供:オービックビジネスコンサルタント

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