対応するファイル形式は第5世代iPodと同じである。オーディオがAAC / Protected AAC、MP3 / MP3 VBR、Audible、Apple Lossless、AIFF、WAV。ビデオがH.264 (最大640×480ピクセル、30fps、1.5Mbps)だ。バッテリー駆動時間は、無線機能をすべてオフにし、音楽だけを再生すると24時間が経過しても、まだバッテリーの表示が少し残っていた。Wi-Fi機能をオンにすると13.5時間。これが通常の使用状態と言えるだろう。ビデオ再生は無線機能オフ状態で6.8時間だった。

iTunesでの同期設定は基本的にiPodと同じだが、よりシンプルにまとめられている。ムービーとテレビ番組が「ビデオ」という1つのタブに集約され、また「情報」というタブでアドレスデータ、カレンダー、Mailアカウント、Safariのブックマークなどの同期設定を行う。クリックホイールを備えていないiPhoneでは、iTunes Storeで現在販売されているゲームは利用できない。

iTunesの概要画面。iPhoneの情報のほか、アップデートの確認を行える

アドレスデータ、カレンダー、Mailアカウントなどの同期設定を行う情報画面

iPhoneで高まるiPod 6Gへの期待

なんだかんだ不満を並べたが、実はかなり気に入っていて、毎日便利に利用している。画面を見ないと操作ができない不便さはプレイリストの作成しやすさで多少緩和されるし、携帯電話として利用することを考えると、一般的なヘッドフォンよりもiPhone付属のものの方が便利なのだ。

では、iPhone登場でiPodの出番がなくなるかというと、そうなりそうにないから困りものだ。過去を振り返ると、iPod nanoが登場した時に、iPodの存在感が薄くなったが、すぐにiPodはビデオiPodに進化した。iPod nanoのローエンドモデルが登場した時、iPod shuffleがなくなると思ったら、いつでも気軽に持ち歩けるバッジ・サイズになってしまった。どのiPodにもちゃんと存在意義を与えているところが、Appleの巧いところだ。結局、ちょっとStarbucksに行くときはshuffle、ジョギングにはnano、出張時にはiPodというように、全てのモデルをちゃんと利用している。

次世代iPodについては、タッチ操作やワイドスクリーンの採用が噂されているが、仮にそうなったとしてもiPhoneユーザーでも欲しくなるような存在意義が盛り込まれるだろう。まだスタート地点だが、熟成されればクリックホイールに肩を並べそうなタッチ操作を体験したことで、第6世代iPodへの期待がふくらんでいる。