2本目のレンズ選びとして、最後に標準ズームレンズをグレードアップ方法を考えてみる。エントリークラスのデジタル一眼レフに付属する標準ズームレンズは、価格を抑えるためにそれほど良いレンズではないことが多い。開放でも暗い、手ブレ補正がないなど、いろいろな部分が犠牲にされている。そこで付属レンズの代わりに、上のグレードのレンズに買い替えるのも悪くない。

例えばニコンの標準ズームとしては「AF-S DX VR 18-200mm F3.5-5.6G」がお薦めだが、非常に人気が高く、入手性が悪いのが難点。発売されたのは2005年なのに、執筆時点でもまだ市場在庫が少なく、入荷待ちが1カ月程度という場合が多いようだ。シグマからも18-200mmで手ブレ補正のついたキヤノンマウント用レンズが発売されているが、こちらも品薄の状態が続いている。このレンズはニコンマウント用や、シグママウント用の発売も予定されている。

また、純正レンズでは10万円以上する明るい標準レンズも、レンズメーカー製ならかなり安価に購入できる。焦点距離を変えても明るさはF2.8のまま変わらない、通称"2.8通し"のレンズでも、タムロン「SP AF 17-50 F/2.8 XR DiII」なら実売で4万円強で購入できる。こういった選択肢もある。

標準高倍率ズームレンズに手ブレ補正を搭載したニコンの「AF-S DX VR Zoom Nikkor 18-200mm F3.5-5.6G」

シグマとしては2本目の手ブレ補正レンズ「18-200mm F3.5-6.3 DC OS」

比較的安価に購入できるタムロンの「SP AF 17-50 F/2.8 XR DiII」

デジタル一眼レフの真骨頂はレンズ交換ができること

撮像素子やレンズが大きく、きれいな写真が撮影できるというだけでなく、レンズ交換できることがデジタル一眼レフのメリットでもある。せっかく交換できるのだから、違うレンズでの撮影感覚や、でき上がった写真の違いをぜひ試してほしいと思う。いまは1本しかレンズを持っていなくても、将来レンズを買い足したり、レンズが増えてきたら今度はボディを買い替えて、レンズをそのまま使い続けられるのもデジタル一眼レフなのだ。

ただ、一眼レフはレンズ交換時にボディ内にゴミが入ってしまう可能性がある。安いもので構わないのでブロアーを用意しておき、レンズ交換の際にはまわりを掃除するようにしたいもの。ガスボンベタイプのブロアーは、ガスが液体のまま出てしまうことがあるので、使わないほうが無難。