使い勝手の向上が目立つリリース

冒頭でも述べたとおり、Eclipse 3.3は派手な新機能よりも細部の使い勝手を向上させるための改善が目立つリリースとなっている。新機能が目立たないということはそれだけEclipse が既に成熟した統合開発環境である証ともいえるだろう。また、これまであまりスポットライトを浴びることのなかったPDE(プラグイン開発環境)の機能が大幅に強化されている点にも注目したい。プラグイン開発者/EclipseRCP開発者にとっては嬉しいリリースといえる。

Eclipseは登場以来Java IDEのデファクトスタンダードの地位を守りつつけている。ライバルであるNetBeansは初期状態での機能の豊富さを売りにしているが、Eclipseは相変わらず「本体はシンプルに、必要な機能はプラグインで拡張」というスタイルを貫いており、初期状態ではGUIアプリケーションの開発もWebアプリケーションの開発もサポートしていないものの、代わりに細部まで配慮の行き届いた「JavaプログラマのためのIDE」へと進化してきたのだ。

IDEはプログラマにとって最も頻繁に利用するアプリケーションのはずだ。細やかな使い勝手が改善されたEclipse 3.3はきっとあなたのよきパートナーとなることだろう。