熱狂的ファンが続々集合

16日の8時、まだ販売開始まで2時間はあるものの、やはり熱狂的なファンは既にイベント会場に詰め掛けていた。イベント会場でのPS3購入には、事前の購入受付を行わなければならないのだが、彼らはそれさえも済ませ、あとは販売開始の時を待つだけとなっていた。

週末の朝にもかかわらず、どこからともなくPS3の購入希望者が続々と集まってきて、購入受付は終始多忙な様子。8時時点ではざっと50人程度が詰め掛けていたが、時間が経つにつれ、その数は2倍、3倍と膨らんでいくのが目に見えて分かった。一方、イベント用のステージの反対側には、PS3によるゲーム体験ゾーンやBlu-rayによる映画タイトルの鑑賞ゾーンが設けられており、一足早くPS3に触れてみようという人でにぎわっていた。

販売開始直前の10時になると、多くの人が会場に集まってきた

多忙な事前購入受付デスク

販売前に一足早くPS3のゲームを楽しもうとする人でにぎわうゲーム体験ゾーン

ゲーム体験ゾーンには、Blu-ray鑑賞スペースも設けられていた

9時45分からは、Sony Computer Entertainment Asia社長の安田哲彦氏と、SCEK社長のイ・ソンウク氏による祝辞が述べられた。

安田氏は「コンシューマー、コンソールゲーム不毛の地と言える韓国で、新たなエンターテインメント市場の創造と発展に努めてきたが、今回のPS3は新たな地平線を切り開くパワーをみなぎらせている」と述べたうえで、「PS3が持つパワーと、韓国が誇るインターネットのインフラ。これがかけ合わさったときに何が起きるのか。大変な可能性が開けてくると確信している」と、新たな可能性への期待を明らかにした。

イ氏は「SCEKはSCEグループと協力し、世界最初の80GB PS3を韓国で最初に販売することを決定した。また合理的で競争力のある消費者価格を設定できた」と述べ、その理由として「韓国といえばオンラインゲーム強国であり、先端インターネット技術の激戦場でもある。その韓国のゲームユーザーは、PS3が持っているゲームや映画、ネットワークなどの多様な機能をフル活用してくれると信じているため」と述べた。

さらに同氏は、「テレビやドラマなど、多様なデジタルコンテンツをリアルタイムで鑑賞できるよう、世界最初にPS3を利用した高解像度VOD技術の開発を終え、サービス開始のために国内企業と合意中」と、韓国内での新サービスも明かした。

オンラインゲームが盛んな韓国は、コンシューマーゲーム機市場がそれほど大きいとはいえない。しかし、既存のPSシリーズよりもスペックが大幅にアップし、ネットワークに接続しても楽しめるPS3が、インターネット大国と言われるほどのインフラを持つ韓国で、多くの人から受け入れられることに、SCEKでは大きな期待を寄せているようだ。

スピーチする安田哲彦社長。開口一番「アンニョンハシムニカ!(こんにちは)」と韓国語であいさつすると、会場が盛り上がった

スピーチするイ・ソンウク社長(写真右)。「韓国ではオンラインサービス機能を最大限活かすことのできる、戦略的な要地だ」