定刻8:00、107号列車は台北駅を出発した。この列車は途中板橋、台中のみに停車する最速列車で左営までは1時間半だ。列車種別は全部で4系統あるが日本のように系統ごとの愛称名はない。ちなみに列車番号は100番台が最速列車、200番台が台中以南各駅停車、400番台が全駅停車、500番台が台中発着の各駅停車である。

台北から次の板橋間は全線が地下で、わずか9分の距離だ。日本で言えば東京 - 品川といったところだろうか。車内での携帯電話の利用は禁止されていない。さっそく台北発車と同時に音声通話を開始したが、数分しないうちにいきなり回線が切れてしまった。あわてて携帯電話のアンテナマークを見るとゼロになっている。その後板橋駅に近づくと復活したが、どうやら地下のトンネル内には携帯電話のアンテナがまだ完全に敷設されていないようで、地下の区間では携帯電話の利用はできないと考えたほうがよさそうだ。

板橋駅出発後、しばらくすると地上に出る。新幹線は次の台中に向けてぐんぐん加速を開始する。ここからは途中の桃園、新竹駅は通過となり、さっそく最高速度の300Kmを体感することができる。ゆれは若干あるが乗り心地が悪いということはない。しかしこの区間もトンネルが多く、トンネルに入ると携帯のアンテナマークがなくなることがほとんど。これはGSMでもW-CDMAでも同様の傾向であり、台北 - 台中間は車内で携帯電話を常時使うことはやや難しいようだ。

テストにはソフトバンク705NK(Nokia N73)を利用。スマートフォンなので待受画面のスクリーンショットを撮ることができる。台北発車時はアンテナマーク(画面左上)はフル表示だ

発車して数分で回線が切れてしまった。画面表示を見るとアンテナマークがゼロになっている

8:08、板橋駅に到着。地下駅だがアンテナマークは復活。駅での利用は問題ないようだ

8:50、台中着。ここで降りる乗客も多いが、平日の午前ということもあって乗り込んでくる客も多く、車内は台北発車時と同様、ほぼ100%の乗車率で台中を発車した。

台中を出てしばらくするとまたトンネルがあり電波が切れてしまうが、次の嘉義駅手前あたりからは田園風景の広がるのどかな光景の中を走る。アンテナ感度もその後落ちることなく問題なく携帯電話を利用することができた。そして台中からわずか42分、定刻9:36に左営駅に到着。ここから中心部である高雄までは鉄道などに乗り換えて数駅だ。

台中を出てすぐのトンネルを抜けると、あとは左営駅まで電波状況はまったく問題なかった。台湾は携帯電話の普及率が高く、車内で携帯電話を使う人の数も多い

車内には時折、速度表示が出る。最高速度は300km/hだがなかなかその数字をカメラに収めることができなかった(写真は299km/h)

左営駅到着数分前には、左手に高鉄の車両基地が見える。マニアな人は左窓側の座席を選ぶといいだろう

台北からわずか1時間半で左営着。新幹線開業に合わせ広大なコンコースの広がる近代的な駅に生まれ変わっている。ここから高雄までは国鉄などに乗り換え数駅だ