ゲームテストではF.E.A.R.、Prey、Half-Life2 Epsode One、Doom3の4タイトルで比較した。テストに用いたツールは、F.E.A.R.がソフト同梱のベンチマーク、PreyとHalf-Life2 Epsode OneはHardwareOC Benchmarksのベンチマークツール、Doom3はBench'emAll!を使用している。各グラフを見て頂ければわかるが、期待するほど大きな差とはなっていない。それどころか、F.E.A.R.とDoom3ではGeForce 7900 GSの方が良いという結果だ。おそらく、高解像度ではGeForce 7900 GSの方が強いという傾向に加え、各タイトルへの最適化不足も要因に挙げられるだろう。
ほぼ前世代ハイエンド下位の性能に匹敵する
3DMarkでは前世代のGeForce 7900 GSを抜く性能を見せたGeForce 8600 GTS。実際のゲームでも、GeForce 7900 GS優位とは言ってもフレームレートにおいて大差とまではいかず、GeForce 8600 GTSは前世代ハイエンドの下位クラスに匹敵すると言っていいだろう。また、製品ではオーバークロックバージョンが各社から投入されるとも聞く。こうしたOC版ではゲームでGeForce 7900 GSを追い抜く可能性はある。加えて、DirectX 10対応という将来性もGeForce 8600 GTSを選ぶ理由のひとつになるだろう。また、PureVideoにHD動画再生支援機能も追加されているので、ここもGeForce 8600 GTSのプラス面だ。なお、動作時のファンノイズに関しては、ファンコントロールは有効であるものの、やや音量は大きく感じるもので、各社のオリジナルファン搭載版に期待したいところ。
ただ、コスト重視のメインストリームなら価格のこなれたGeForce 7900 GSも魅力だ。市場価格ではGeForce 8600 GTSが(初値という要素もあるが)3万円前後、GeForce 7900 GSが安いものでは2万円半ばから手に入るといった状況である。まもなくリリースが本格化する見込みのDirectX 10対応ゲームタイトルが大きな判断材料になるだろうが、これにまっさきに飛びつくようなユーザーでなければ、GeForce 8600 GTSの購入時期にはちょっと悩まされることになるのかもしれない。