「EM・ONE」は、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)通信サービス「EMモバイルブロードバンド」対応端末として、イー・モバイルより鳴り物入りで登場したWindows Mobile 5.0搭載機である。サービスイン当初はEM・ONEの他に、同じくHSDPA対応のPCカード型データ通信端末「D01NE」も提供され、これら2機種に引き続き、今月13日にはCFカード型の「D01NX」も発売される予定である。
今回は、ハードウェア編とソフトウェア編の2稿に分けてこのEM・ONEを紹介したい。また、「D01NE」についても簡単に触れておく。ただし、今回紹介するEM・ONEおよび「D01NE」はいずれも量産試作機であり、ユーザーの手元にわたっている製品版とは異なる可能性が高いことを念頭に置いて、読み進めていただきたい。
イー・モバイル「EM・ONE」 |
それでは、まずはEM・ONEのハードウェア面から眺めていこう。背面のロゴにあるように、EM・ONEの製造元は、ウィルコムに「W-ZERO3」「W-ZERO3[es]」を提供しているシャープである。新規通信事業者であるイー・モバイルが、短い開発期間で新規のHSDPA対応のWindows Mobile端末をリリース出来るのは、W-ZERO3シリーズで積み重ねた同社の実績があったからであろう。
兄弟機とも言えるW-ZERO3ではスライド型キーボードを実装することで、ビュースタイルとインプットスタイルというふたつの利用スタイルを提案していたが、本稿で紹介するEM・ONEでは、キーボードの他にポインティングデバイスおよびスクロールホイールが追加されており、これらの新たなインプットデバイスを活用するため、デュアルスライド機構を実装することで、ビュースタイル、インプットスタイル、そしてコントロールスタイルと、新しいスタイルを提案してきている。
W-ZERO3と同様、縦横の画面切り替えをサポートしてはいるが、デュアルスライド機構によるキーボードの出し入れとは連動させず、横画面での利用を標準としている。
インプットスタイルのEM・ONE。いわゆるQWERTY配列のキーボード、ポインティングデバイス、そしてカーソルボタンなども利用できる |
ビュースタイル時の背面。イー・モバイルとシャープのロゴがプリントされている。右上にはワンセグのホイップアンテナ、右下にはスタイラスが収納されている。また、左上にはストラップ用のホールが開けられている |
インプットスタイル時の背面。液晶側右上には、131万画素CMOSカメラおよび接写スイッチが配置されている |
コントロールスタイル時の背面。インプットスタイルと同様に液晶側右上のカメラが露出する。通常のビュースタイル時はレンズ面が保護されているということだ |
なお、液晶右には縦一列で仮想キーが配置されている。上から順に「OK」キー、「スタート」キー、ホームキー、TVキー、インターネットキー、メールキーとなっている。「OK」キーと「スタート」キー以外は、「設定」「個人用」「ボタン」でカスタマイズが可能となっている。