"報告書文化"から"体験の共有文化"へと変革
セールスフォース 大川宗之氏:例えば、セールスフォースでは日本事務器様に導入していますが、業務を活性化させるために、社内SNSのChatterを他システムと連携させる先進的なシステム活用を実践されています。
1つの例として、「Watcherシリーズ」という基幹業務からの通知をこのChatterで受信する仕組みがあります。これにより、業務が発生した時点で処理を迅速に行えるようにしています。また、「Chatterグループティッカー」という、Google Appsで作ったポータルとChatterを連携する仕組みを構築し、ホットな話題の共有を行いながら、「Chatter文化の早期定着の手法」を狙いとして使用してらっしゃいます。
Chatterの具体的利用例としては、社長賞審査処理において、Force.comで審査申し込みアプリを作ってリアルタイム集計を実現し、かつ、Chatterのやりとりで、審査員の間で受賞者の決定を議論しました。この時は、従来のExcelとメールでの方法では有り得なかったスピードで、受賞者を迅速に決定することができ、さらに受賞案件を共有することで、みんなでこの案件を育てるためのインフラが実現しました。
同社ではChatter導入にあたって、後のSFA導入を見据えて、Chatterで情報共有の土台作りをまずはじめに行うことを重視されていました。Chatterにより、今までの”報告書文化”から"体験の共有文化"へと変革したのです。ソーシャルが浸透する企業文化があり、それをさらに醸成していったことが、社内SNS導入の成功のみならず、営業改革の業務成功へとつながっていった良事例です。
「情報私物化罪」の撲滅!
またコネクシオ様でもセールスフォースをお使いいただいております。Salesforce導入の狙いは、営業の「情報私物化罪」の撲滅でした。以前は、案件情報、コンタクト情報などを営業が情報を抱え込んでいて共有されていませんでした。情報はある意味、会社の資産なのでこれは許されない行為と考え、全国レベルで情報をアップさせるようにすることを狙いとしていました。
情報をオープンにすることに、はじめは営業は渋りました。しかし、Chatterでオープンにすることで、同僚や上司から情報やアドバイスをもらえたり、うまく行けば褒められたり、メールよりも便利だったり、メリットの方が大きいと営業が気付き始めて、活性化に弾みがついていったのです。さらに、Chatterを使うことでモチベーションが上がり、それがSFAへのデータ入力率の向上にもつながっていきました。
具体的な活用例としては、在庫確認などの社内問い合わせ業務をForce.comでアプリケーション化し、Chatterと連動させています。Chatterのフィード上から直接問い合わせレコードを作成可能にしているので、通常の自由なフォーマットのつぶやきとは違って、入力項目が構造化されており、情報を迷わず入力できるようになっています。モバイルにも対応しています。以前に比べて、電話対応負荷が大きく減り、スピードも上がり、対応社員による回答品質のばらつきも少なくなりました。
業務とソーシャルの2つをシステム連携させながら並行して利用し、シナジー効果で両方とも活性化していったところがこの事例のポイントです。
ビートコミュニケーション 村井亮氏:弊社でも三菱UFJリサーチ&コンサルティング様やペイロール様に導入しています。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング様では、プロジェクトやテーマ・関心毎にコミュニティ機能を使ってディスカッションを実施しています。アイデア出し、意見のブレスト、議論、まとめを社内SNSで完結させることで質の良いナレッジが蓄積されます。加えて興味・関心をテーマにしたコミュニティ内の交流も増えており、本部・部室や地域を越えたつながりが生まれる機会にもなっています。
また、社内SNSを浸透させる仕組みのひとつにはタブレット端末からも利用できる環境の構築があります。社内SNSでは外部には出せない重要な情報を扱うため、タブレットからのアクセスを禁止する企業もありますが、同社ではセキュアなアクセスを可能とする工夫で、外部利用を可能にしています。
社員の自発的な発言の促進という観点で言えば、昨年導入いただいたペイロール様がございます。同社は、当時グループウェアなどを試行しながら社内SNSも検討していたそうです。社内的なゆるいコミュニケーションや自由な発言ができるツールとしてBeat Shuffleを導入していただきました。
Beat Shuffleは利用したい機能を管理者側でON/OFFが可能ですが、最近では、Q&A機能を新たに追加し、新しく社内に導入したシステムに関する問い合わせ窓口として利用しようとして考えていただいたり、顧客情報の共有など業務内容の他に、部活動の投稿や社員の結婚式の写真なども共有して活用していただいています。