企業PRやEコマースなど、ウェブサイト構築・運営は欠かせないものである。だが、自社でウェブサイト用のサーバーを確保するには、ハードウェアにもコストがかかるし専門知識を持つスタッフも確保しなければならない。そうした問題を避けるために共有レンタルサーバーを利用している企業や個人も多いことだろう。しかし、共有レンタルサーバーは、ハードウェアを共有しているほかのユーザーサイトの影響を受けやすく、負荷がかかると処理が重たくなったり、管理者権限が与えられていないので自由度の高いサイト構築が行えなかったりなどのデメリットがある。そうした諸問題を回避できるのが「VPS」(Virtual Private Server:仮想専用サーバー)で、ホスティングを行っている企業の多くがサービスを展開している。ここで紹介するGMOクラウド社が提供するVPS「GMOクラウド VPS」は、そんな数多く提供されているVPSの中でも注目のサービスである。

上図は共有レンタルサーバーとVPSの違いをイメージしたもの。共有レンタルサーバーは、ハードウェアを共有するすべてのユーザーが同じ仕様のサーバーを利用するが、VPSは同じハードウェア上でも各ユーザーが好みの仕様のサーバーを利用できる

ハードウェアの障害時もスグにデータ移行

GMOクラウド VPSのメリットとして挙げられるのが、名前のとおりクラウド型のVPSサービスになっていること。VPS自体がクラウドのひとつの形態ではあるが、GMOクラウド VPSは、クラウドであることをよく生かしている。そもそもクラウドサービスは、ネットのリソースを使って業者がデータを管理するため、利用するユーザーは保管サーバーなどの状態を意識する必要がない。見えない“雲(Cloud)の先”の心配をせず、安心してサービスを受けられるというのがクラウドの由縁だ。GMOクラウド VPSは、まさに安心して使える高い可用性(High Availability)を確保したシステムなのである。

この高可用性を実現するため「オートフェイルオーバー」が標準搭載されているのがポイント。オートフェイルオーバーは、VPSが稼働している物理サーバーに障害が生じたとき、自動的に正常な物理サーバーにVPSを移行し再起動してくれる。万が一、物理サーバーに障害が発生した場合でも、被害が最小限に抑えられるというわけだ。またクラウド型であるため、拡張性が見込めるのもメリットで、将来的に複数のVMにより高いリソースを活用できる同社のクラウドサービス「GMOクラウド Public」への移行も容易だ。

高い可用性を実現するためにオートフェイルオーバー機能を実装している。通常、共有レンタルサーバーではデータをバックアップしておき、ハードウェアに障害が起こると代替サーバーに移行する。その手間が省けるだけでもありがたい