印刷物を扱う会社にとって、リーズナブルな価格体系や小ロットからの対応が可能なのが、印刷ネット通販の魅力だ。一方で、印刷ネット通販の特性をつかみきれず、利用に踏み切れていない読者も少なくない分野でもある。そこで、今回は実際に印刷ネット通販を利用しているエスピージャパンにインタビューを行った。印刷ネット通販の特徴とともに、その中でも印刷通販会社をよく利用しているという背景について、話を伺ってきた。

小から中規模の印刷物案件の対応に最適

今回ご協力いただいたエスピージャパンは、東京都新宿区に拠点を置く総合広告代理店。印刷物を中心にした制作やWebサイト制作を手がけており、ナショナルクライアントをはじめ、美容院や歯科医院、大手弁当屋など、大小さまざまな規模の広告クリエイティブを取り扱う。

印刷物をデザインから入稿、納品までを一括で手がけることが多い同社は、もともと幅広い案件に対応するために、印刷ネット通販をよく利用していたという。同社のSP事業部 マネージャー 立辺良美氏は次のように語る。

今回インタビューにご協力いただいた、エスピージャパンの立辺良美氏

「3万部を超える大規模な案件は、今でも大ロットでの対応に強みを発揮する大手の印刷会社にお願いしています。ですが、10部程度の小部数から最大でも1万部クラスの小中規模の案件も数多く抱えています。ロットが少ないと大手印刷会社では対応しづらかったり、過度にコストがかかってしまうため、小部数からきめ細かな料金体系を持つ印刷ネット通販を導入するようになりました」

印刷ネット通販の特徴は、いくつか挙げられる。リーズナブルな価格体系で、小ロットからのオーダーができることのほかに、24時間の入稿体制、短期納品対応も可能といった点だ。特にどの点に使い勝手のよさやメリットを感じるのだろうか?

「価格面の魅力がもっとも大きいです。安価に対応できることに加えて小ロットからの注文が可能なことで、小さな案件にも小回りよく柔軟に対応できることは、クライアントにより早く現物をお届けできる意味でも大きな利点です」

ただ、その価格帯によって不安に感じてしまうという読者が少なくないのも、無理のないことだ。価格が安価である分、例えば印刷物の仕上がりが期待できないのではないか?納品された現物の色のりが悪ければ、成果物としては致命的なミスであるばかりか、クライアントへの信用を大きく失いかねない。そういった点に関して、利用開始時はどう感じていたのだろうか。

「確かに、価格の魅力とともに当初はとても懸念がありました。安い分、何か裏があるのではないかと(笑)。ですが、これまで弊社でお付き合いのある印刷ネット通販各社に共通することですが、取引前に色見本や紙見本などの資料一式を取り寄せることが可能です。それに不明点は電話やメールできちんと対応をしていただけます。早く仕上げていただけるおかげで現物をチェックすることもできますし、取引前の時点で抱いていた不安や誤解がだいぶ緩和しました」