SP890はベンキューのラインナップの中の高輝度シリーズに位置付けられた製品。搭載されている光源は4,000ルーメンとかなり明るい。一般的なプロジェクタが2,500~3,000ルーメンなので、その実力は数値からでも想像できるはずだ。さらに、解像度も1,920×1,080ドットなので、動画もフルHDで投影できる。これなら、情報量の多いページの表示もくっきり表示できる。
気になる画質だが、50,000:1という高いコントラスト比は、明暗やカラー表示の輪郭をより鮮やかにしてくれるので、多少複雑なプレゼン資料でも明瞭に描画することができる。高輝度、高コントラストがSP890の特長でもあるのだ。
今回は82名収容可能な大会議室で試してみたが、規模感以上のクリアな画質が簡単に得られることに驚いた。セッティングらしいセッティングはしていない中、とりあえず試写しただけのデフォルト状態でも十分安定した描画ができるのは、事前準備の縮小にも繋がるはずだ。
設置を容易にする縦横台形補正機能やジョイスティックコントローラーを装備!
プロジェクタ利用時に一番苦労するのは、設置と調整だろう。きちんとスクリーン内に収めることはもちろん、画像にゆがみがでないようにレンズの向きを調整しなければならない。その点、SP890には数々の調整をサポートしてくれる機能が搭載されているので安心だ。
まず紹介するのは、センターレンズ。地味な機能で、ついつい見逃されてしまう特徴だが、レンズがプロジェクタのセンターにあるので、本体をスクリーンの中心に合わせて真正面に置けばよく、セッティングが簡易に行えるのだ。
また、映像をスクリーン内に収めるにはレンズの角度が重要だが、SP890にはレンズ右にジョイスティックコントローラーがあり、これを動かすだけで、画面の位置を上下125%、左右41%に移動させて調整できるレンズシフト機能を搭載している。プロジェクタ本体を動かすことなく調整できるのだ。
そのほか、会議室の状況や発表者の位置などの関係で、スクリーンの真正面にプロジェクタを設置できないシーンもある。そんな場合でもSP890は、マニュアルではあるが縦横台形補正機能を搭載しているので、多少スクリーンに対して角度のある位置に置いても、正常な形に補正して投影することが可能だ。
極端な横位置は無理だが、通路幅ぐらいなら問題なく補正できる。このほんの少しの補正ができるかできないかは意外と重要。スペースによってはスクリーンが固定されている場合があり、プロジェクタの設置場所を優先すると来訪者エリアに影響があるケースも考えられる。ちょっとした機能と思えるかも知れないが、いざそのような場面に遭遇したときに、あって良かったと感じられるはずだ。