ソースネクストは7月26日、音声に対応した翻訳機の新モデル「POCKETALK W(ポケトーク W)」を発表した。

ソースネクストの翻訳機の「POCKETALK W(ポケトーク W)」

海外旅行や語学学習に好評を得ているというポケトークだが、ビジネスの現場においても訪日外国人対応などの需要が高まっている。ホテルや空港などで多数の採用事例があるポケトークは、新モデルでどう変わったのだろうか。

画面が見やすく、翻訳性能も向上

初代モデルと新モデルを比べてみると、本体のサイズ感や重量はほぼ同じ。スマホより小さい手のひらサイズで、ポケットにも簡単に入れられる。

大きく変わったのは、画面サイズだ。初代モデルは小さな円形の画面だったが、新モデルでは2.4型で長方形の一般的なディスプレイを搭載した。タッチ操作にも対応したことで、スマホのような感覚で直観的に使えるようになった。

初代ポケトーク(写真左)と、新しいポケトークW(写真右)

実際に翻訳するときの使い方も変わっている。初代モデルでは矢印をタップして翻訳モードに切り替えていたが、新モデルではボタンを押しながら話し始め、話し終えたらボタンを離すという方式に変更された。

ボタンを押しっぱなしで話す方式に変更された

物理的に押せる2つのボタンを搭載する

翻訳の対応言語数は、63言語から74言語へと増加した。初代モデルの時点で主要な言語はほとんどカバーしていたが、同じ英語でもインド、オーストラリア、米国、英国の4種類のアクセントに対応するなど、地域ごとの対応が進んだ。

英語だけでも4種類のアクセントに対応する

音声による翻訳の使い勝手は、初代モデルと同じく予想以上に優秀だ。たとえば日英翻訳の場合、まずは日本語で話した内容が正しく音声認識されるかどうかが重要になる。はっきりした発音で話せば認識精度は高く、地名や固有名詞も幅広く対応しているようだ。

認識された日本語は2〜3秒で英語に翻訳され、音声で読み上げられる。長文の読み上げでも、発音は流ちょうだ。また、新モデルでは画面が大きくなり、音声認識された日本語や翻訳後の英語を文字で確認しやすくなった。

画面が大きくなったおかげで長い文章でも見やすい

あまり頻繁に操作することはないが、設定などのメニュー画面も変わっている。初代モデルは矢印をダブルタップするなど、説明書を読まないと分からないところもあったが、新モデルは一般的なAndroid端末と同じ感覚で操作できる。

Wi-Fiなどの設定もAndroidと同じ感覚で使える

翻訳の履歴は端末内に最大1万件が保存され、サーバ連携時には事実上無制限に保存できるという。特に業務利用では、接客現場でどういった翻訳をしているかという履歴は貴重なデータになりそうだ。

USB Type-C、eSIMなど最新技術を採用

より細かなハードウェアの違いとして、本体の充電に用いるUSBポートはMicroUSBからUSB Type-Cへと変わっている。イヤホンジャックは廃止されたが、代わりにBluetoothに対応しており、外部スピーカーと接続できる。

本体下部のUSBポートはUSB Type-Cに

通信機能として、新モデルでもソラコムの技術を用いた世界105カ国でのデータ通信対応モデルが用意される。新モデルでは本体内に「eSIM」を内蔵しており、物理的なSIMカードを入れる必要はない。

ソースネクストが指定するSIM以外はサポート対象外となっているものの、SIMカードのスロット自体は側面に残っている。また、最初にWi-Fiモデルを購入し、後から専用のグローバルSIMを購入して利用することもできるという。

SIMカードスロットは本体背面から側面に移動

本体下部にはストラップホールも追加された。初代モデルでもケースにストラップを取り付けることはできたが、首から提げっぱなしで活用する現場でも使いやすくなったといえる。

販売形態は、個人向けと、2台以上を利用する法人向けで異なる。飲食店を営む個人事業主など、1台のみを業務利用する場合は個人向けをそのまま使えるという。個人向けモデルは家電量販店でも取り扱っているので、まずは手に取って翻訳の使い勝手を試してみたい製品だ。