初めてのチューター参加でそれぞれが得たモノ
学びや気付きを得たのは、受講者だけではない。今回チューターとして初参加した森下彩氏(東海大学)、安里眞夢氏(沖縄工業高等専門学校)、上原大輝氏(KBC学園国際電子ビジネス専門学校)も、たくさんの刺激を受けたようだ。
2014年と2015年の沖縄ミニキャンプ、2016年の全国大会に参加してきた安里氏。初参加のきっかけは、過去にミニキャンプへ参加した先輩に話を聞き、面白そうだと思ったからだと話す。今ではCTFをはじめとするその他大会にも出場するなど、積極的に活動範囲を広げている。チューターをやることになったのも、そうした活動のなかで声をかけられたのが理由だ。「これだけキャンプにお世話になったのだから、少しくらい役に立ったほうがいいかな」と照れ笑いする。
1日目の終了時には「もっと受講者に話しかければよかったかな……」と反省気味だった安里氏。2日目は困った表情の受講者の下へ駆け寄る姿がよく見られた。
森下氏は、2016年に四国で行われたミニキャンプと、全国大会に参加。最初は所属する研究室の教授に勧められたのがきっかけだったが、その後、セキュリティの勉強会「CTF for Beginners」に参加したとき、多くのキャンプ卒業生に遭遇。話をするなかで、やはり自分はセキュリティが好きなんだと実感し、今度は自分から進んでチューターに応募したという。
「攻撃の技術を学ぶのは、誰かを助けるため。そう伝えられたらなと思って。あと、キャンプではすごい人たちと出会うチャンスがあります。それを少しでも手助けできればと思いました」
昨年の沖縄ミニキャンプが初参加だったという上原氏は、「当時は警察官になりたくて、好きなITの知識も活かせないかと考えたとき、セキュリティに思い至りました」と明かす。その後は「Hardening部」を仲間と結成、大会にも何度か出場した。
チューターを引き受けたのは「地元のために貢献してくれないか」と今回のキャンプ講師でもある川口氏から誘われたのがきっかけだった。
「後輩も多く、知っている人が多かったので講義中も声はかけやすかったです。でも、答えを教えたら、教えられたほうもつまらなくなってしまうので、なるべく答えにつながるヒントだけを伝えるよう心掛けました」
受講者、チューターともに充実の2日間となった沖縄ミニキャンプ。自分なりの発見を手に、最後は全員笑顔で会場を後にした。