モチベーションがキープできる「場所」を選ぶ

自宅で筋トレを習慣化できるなら、まずは自宅で始めてみよう。他人の目があるところで筋トレをするのが苦手という人もいれば、リラックスできる自宅のほうがよいという人もいる。モチベーションが保てるなら自宅で十分だ。逆に、自宅では筋トレが続かない場合はスポーツジムの活用を検討してみよう。

疲れて自宅へ帰ってきて、さらにそこから筋トレをするというのがどうしてもできない方もいる。「やっぱり明日から」と言っているうちにやらない、またはやらなくなるパターンだ。自宅に帰ってきた時点で戦闘モードは終了であり、あとは風呂に入ってビール、という気持ちに切り替わってしまう。場所とモードが結びついた生活になるのはよくあることだ。その場合はモードを変えるためにスポーツジムを選ぶとよいと思う。

テレワークへの切り替えで自宅での仕事が多いという場合もスポーツジムはよい候補だ。出勤しなくなったことで自宅にこもりがちだ。スポーツジムへ行くことを気分転換や外出のタイミングとすることができる。

自宅で筋トレを開始するなら、次はどのような筋力トレーニングをするのか調べることになる。

スポーツジムで筋トレを開始するなら、どこのどういったスポーツジムを選ぶのか調査して試していくことになる。スポーツジムは価格も内容もいろいろあるので、その中から自分のニーズに合ったものを選んでいく。

最初に選ぶスポーツジムはどれがよいか?

スポーツジムで筋トレを開始するケースを考えてみよう。スポーツジムといっても、立地、設備、サービス、価格、料金体系などは千差万別だ。1回数百円で利用できる公共施設から、月額10万円以上のスポーツジムなど、サービスによって多種多様なジムが存在している。

本連載ではビジネスマンが筋トレを日常に取り込んでいくことを目指しているので、最初は次の視点からスポーツジムを探すのがよいと思う。

  • 自宅から近い、または、自宅と会社の通勤ルート上にあるスポーツジム
  • 価格が廉価で日常利用でも負担が小さい

この場合、スポーツジムを選ぶ時には次のような違いを知っておくとよいと思う。

視点 特徴
公共スポーツジム 地方公共団体によって提供または地方公共団体と民間の共同(PPP: Publib Private Partnership)で提供されているスポーツジム。比較的廉価で、1回利用するごとに数100円程の料金を支払うシステムになっていることが多い。若干割安になる月単位または年単位のサブスクリプション(定期券)が用意されていることもある
廉価スポーツジム フィットネスマシンが主。24時間開いていることもある。月額3000円前後といった廉価な価格帯で利用できるものもある
24時間スポーツジム 24時間使用できるスポーツジム。フィットネスマシンが主で、日本中(または世界中)にチェーン展開されている店舗もあり、会員であれば別の場所のジムも利用できる、またはそうしたオプションが提供されていることがある。開店時間帯を気にする必要がない。シャワーや風呂などの施設はないことが多い
プールありスポーツジム プールのあるスポーツジム。サウナや風呂があることも多い。マシンのみのジムよりも価格は高めになることが多い。仕事帰りに風呂に入るついでにフィットネスマシンで筋トレをすると言った使い方がしやすい

スポーツジムを使ったことがないという場合、最初に市や町などが提供している公共のスポーツジムを探して試してみるとよいと思う。公共のスポーツジムは利用するごとに料金を支払うシステムになっていることが多く、1回あたり数100円ほどで済むなど、手軽に試すことができる。スポーツジムを試してみるにはよいスタートラインだ。

長く続けるために価格を抑えたいという場合、郊外であれば比較的廉価なジムを見つけやすい。都心部ではそこまで廉価なスポーツジムを見つけるのは難しいかもしれない。

仕事が終わってからスポーツジムに行く場合は開店時間帯が気になると思う。その場合は24時間営業しているスポーツジムを探してみよう。24時間営業のスポーツジムは他の場所にある系列店舗も利用できることが多く、出張など仕事場所がよく変わるようなケースでも検討したい対象だ。

スポーツジムを選ぶときの大前提は通いやすい場所にあることだ。続けるところに意味がある。続けやすい場所にあり、予算が許す範囲内にあること、最初はこの2点をベースにして選んでみるとよいと思う。雨が降っても行ける距離、行きやすい場所、にあるというのはひとつの指針になると思う。雨が続いてスポーツジム通いが止まってしまうというのはよくあることだ。雨が降っても行ける場所というのけ結構いい指針になると思う。

できるなら、トレーニングマシンの台数も気にしておきたい

場所と予算という2つの条件を満たすだけでも大変かもしれないが、もし可能であればトレーニングマシンの台数が十分にあるスポーツジム、というのを選ぶときの基準に加えてもらえればと思う。

筋トレは自重でもできるが、普段筋トレをしていないビジネスマンが意思の力だけで筋トレを日常化するのはかなり難しいと思う。健康や運動に対するそれだけの意志力がある場合、すでに運動が日常化している可能性が高いんじゃないかと思う。となると、「筋トレを日常化する」には、そういった「環境を整えてジム通いを日常化する」というのがポイントになってくる。

例えばスポーツジムに風呂がついているなら、退勤後にスポーツジムで筋トレをしてからシャワーを浴びて風呂に入ってから帰宅する、といったルーチーンにするという手段がある。一人暮らしの場合には風呂をスポーツジムで済ませるようにすると、自宅の風呂掃除という手間が減るので筋トレ以外にも利点があるのだ。

また、考え方はいろいろあるのだが、筋トレ慣れしていないビジネスマンにとって、スポーツジムにあるトレーニングマシンはよい「ルーチーン」と「モチベーション」になる。

ここでの「トレーニングマシン」は特定の動作をするように設計された筋トレ目的のマシンを指している。筋トレ当初はどういった筋トレをすればよいか自体がわからないと思うが、始めに「腕」、「足」、「胴体の前」、「胴体の後ろ」といったように体を分割して考え、そこを鍛えるトレーニングマシンを使うというルーチーンを組んでしまう。スポーツジムにいったらマシンA、B、C、D、Eをやる、と決めるのだ。あとは機械的にこなすだけでよい。

また、トレーニングマシンを使った筋トレは「筋トレしている感」が結構あり、難しくもない。「トレーニングマシンで筋トレしている自分」というのに酔うというのも継続には絶対に欠かせないポイントだ。怪我も避けやすいし、最初は「モチベーション」としてもトレーニングマシンはお薦めである。

ということで、もしスポーツジムが選べるのであれば、トレーニングマシンの台数が十分にあるか、という点も検討対象に加えてもらえればと思う。トレーニングマシンの台数が少ないと、スポーツジムに行ってもトレーニングマシンが使えないという状況になる。そうするとスポーツジムへ行くモチベーションが下がりかねない。トレーニングマシンの種類も豊富で台数がたくさんあれば最高だ。特に自分がよくいく時間帯にそれらが選びやすい状況であるか調べておきたい。

スポーツジムは合わなかったらチェンジ

ここでは長く生活の一部として筋トレをしていくことを目指しているので、スポーツジムは「気が合う」というのがとても大切だ。最初は、試してみて合わないと思ったら別のスポーツジムに変えるくらいの心持ちよでよいと思う。

スポーツジムやトレーニングマシンに慣れて、自分なりに効くトレーニング方法が確立できたなら、そこからさらに目的に合ったスポーツジムに移ったり、複数のスポーツジムを活用したりすればよい。まずは最初の一歩として、日常的に通うことができるスポーツジムを見つけるというのが大切だ。

なお、有酸素運動ほど小回りは効かないが、機種によっては筋トレを細かく記録できるスマートウォッチもある。有酸素運動がどうも苦手という場合には筋トレを中心に運動を組み立てていけばよいと思うが、その場合にもスマートウォッチは活用できるのだ。その辺りは、次回以降で紹介していこう。

参考