本連載の最終回は、MacGPTが提供する「インラインモード」を取り上げる。前回に取り上げたグローバルモードはSpotlight検索のように、ChatGPT専用の入力フィールドがポップアップしてくる機能だった。

対するインラインモードはテキスト入力にダイレクトに結びついた機能だ。エディタやワープロアプリケーションに入力しながら、ChatGPTに質問を行って結果をそのまま入力することが可能な機能だ。MacGPTを使う場合はぜひ試してもらえればと思う。連載「MacGPTではじめるChatGPT」のこれまでの回はこちら

さらに突っ込んだ統合を行う「インラインモード」

ChatGPTを使う用途としては、ChatGPTが返してきた答えをそのままコピー&ペーストして、そこから編集を行うというケースが多い。そうの場合、確実にコピー&ペーストが発生するので、最初からエディタでChatGPTに質問を行って、エディタにその答えが入力されたら手間が省けるのに、と考える方もいると思う。

それを実現する機能がMacGPTの「インラインモード」だ。その便利さから、MacGPTを使う理由にもなる機能だ。この機能は利用するアプリケーションをそれほど選ばない。人によってはこの機能を使えると、ChatGPT活用の効率がワンランク上がるはずだ。

MacGPT「インラインモード」を有効化する

それでは、インラインモードを使う手順を説明していこう。初期状態では、MacGPTのインラインモードは有効になっていないので、変更する必要がある。MacGPTの設定ダイアログを開き、タブから「Inline」を選択する。

  • 設定: 「Inline」

    設定: 「Inline」

そして、この機能を有効にするには、macOS側のアクセシビリティを許可する必要がある。まず、ここで「Grant Accessibility Privileges」をクリックする。

以下のようにシステム設定が起動してくるが、最初はMacGPTのアクセシビリティがオフになっている。

  • システム設定: 「アクセシビリティ」

    システム設定: 「アクセシビリティ」

ここで、MacGPTのアクセシビリティをオンに変更する。

  • システム設定: 「アクセシビリティ」→「MacGPT」→オンに変更

    システム設定: 「アクセシビリティ」→「MacGPT」→オンに変更

システム設定でMacGPTへアクセシビリティの許可を与えると、MacGPTの設定ダイアログの「Inline」の表示が次のように変わる。「Grant Accessibility Privileges」のボタンが「Accessibility granted」というチェックに変わり、そのチェックが入った状態になることを確認できる。

  • MacGPTのアクセシビリティが有効になっているときの表示

    MacGPTのアクセシビリティが有効になっているときの表示

この状態になると、「Enable MacGPT Inline」のチェックが選択できるようになるので、これにチェックを入れて次のような状態にする。

  • 設定: 「Inline」→「Enable MacGPT Inline」にチェックを入れる

    設定: 「Inline」→「Enable MacGPT Inline」にチェックを入れる

これで設定は完了だ。ここでは「Trigger word」が「+gpt」になっていることと、「Trigger method」が「Shift-Return」になっていることを覚えておいてほしい。これがデフォルトのトリガーになっている。

MacGPT「インラインモード」を使う

それでは、早速MacGPTのトリガーモードを使ってみよう。MacGPTが起動している状態で、エディタで次のようなテキストを入力してみる。ここでは「+gpt 高タンパク低脂質なレシピを教えてください」と入力している。

  • テキストアプリケーション: +gptに続けてChatGPTへの質問を入力

    テキストアプリケーション: +gptに続けてChatGPTへの質問を入力

ここで「Shift」+「Return」を押す。すると、ChatGPTへの取い合わせが実行され、次のように答えがエディタに入力されていく状態になる。

  • 「Shift」+「Return」を押すと、ChatGPTの答えがつらつらを入力されていく状態になる

    「Shift」+「Return」を押すと、ChatGPTの答えがつらつらを入力されていく状態になる

これと同じ要領で、質問を続けていくことができる。次のスクリーンショットはChatGPTからの答えがすべて入力されたあとに、さらに「+gpt 低脂質なデザートのレシピもお願いします」と入力したところだ。

  • テキストアプリケーション: さらにChatGPTへの質問を書いたところ

    テキストアプリケーション: さらにChatGPTへの質問を書いたところ

ここで「Shift」+「Return」を押す。そして先ほどと同じようにChatGPTへの取い合わせが実行され、次のように回答が入力されていく。

  • 「Shift」+「Return」を押してChatGPTの答えがつらつらを入力されていく状態になる

    「Shift」+「Return」を押してChatGPTの答えがつらつらを入力されていく状態になる

ChatGPTからの返事がすべて入力された状態が次のスクリーンショットだ。

  • ChatGPTからの答えたすべて入力された状態

    ChatGPTからの答えたすべて入力された状態

ここではテキストアプリケーションを使っているが、エディタでプログラミング中に同じことをするとか、ドキュメントの編集中にこれを活用するとか、ユースケースはいくらでも出てくる。別ウィンドウで入力するよりもシームレスに回答のやり取りが可能なところがポイントだ。