Web会議と異なるメタバースの「つながり」
weblioによると、「つなぐ」の意味は「相手の気持ちなどが離れていかないようにする」「結びつけてひと続きのものにする」とあります。メタバースの世界のコミュニケーションでは、相手の存在のリアリティを感じ、その世界への没入を誘います。
つまり、感覚(大脳の認識)をハッキングされてしまいます。現在は、五感のうちの視覚(見る)、聴覚(聴く)の二感までカバーされていますが、これで十分なほどの没入感を得られます。
Web会議の「接続」とは次元が異なりメタバースの世界こそが、「繋ぐ」なのかもしれません。ただ、繋げてみないとわからない、体験しないとわからないというところが今のステージと思います。
学校とメタバース
「Horizon Workrooms」は仮想空間でのバーチャル会議室サービスと言われていますが、コラボレーション空間であり、コミュニケーション空間です。この仮想空間を教育で使ってみたらどうなるでしょうか?会議ではありませんが、多数の生徒がつながる学校では、有効活用できそうです。
学校外の専門家や働く人を知覚に感じながら会話したり、簡単にはいけない社会見学を360度VRで体験したり、複数の学校の生徒を一つの仮想空間で一体となって先生を共有して、問題となっている学校統廃合を遅らせたりと、想像は膨らむばかりです。
「Horizon Workrooms」では、普通に雑談が可能です。発言待ちする必要がありません。そのため他校の生徒や先生も外部の社会人でも、フレンドリーに参加できる仮想教室空間が実現できます。仮想空間をとおして感動体験を共有できます。
少人数となったクラスでも、複数の学校が一つのメタバース教室に集まれば、先生を共有できます。座位置は変えられるので、他の学校の生徒と一緒になった空間で、横を向けば他校の生徒が先生のほうを注視している一体感を感じながら、授業を受けることができます。他校の生徒と意見を交換もできます。
バーチャル会議室サービスの問題点
とはいえ、メタバースによって実現する教室の空間に問題を感じる人も多いのではないかと思います。以下、筆者が思いついたバーチャル会議室サービスの問題点をまとめました。
- ゴーグルの装着体験が必要。身につけてみないとわからない。
- 仮想のテーブルに物を置きそう、逆に本物の机に腕をぶつけそう。飲み物がのめない。
- その仮想空間に適合した3Dヘッドセット(ゴーグル)が必要。「Horizon Workrooms」には、Meta Quest 2(Oculus Quest 2)のヘッドセットが必要。
- バッテリー持続時間が数時間と短い(長時間利用は目が疲れる、重い、メガネが邪魔なのでちょうどいい)。
- VRキーボードは打ちにくく、メモが取りづらい。
- 外出先へは大きくてゴーグルを持ち歩けないし、装着できない。
- アバターの様子をしっかり見られている(内職できない……問題点ではない気もするが)。
VUCAの時代
「何が起こるのか」を予測困難な状況を指す「VUCA(Volatility,Uncertainty,Complexity,Ambiguity)」という言葉を耳にする機会が増えていますが、世界は今、激変の真っただ中です。メタバースの世界も、Meta社の仮想空間とMicrosoft Teamsのようなコラボレーションツールが統合されたり、Cisco Webex HologramのようにVR+アバターではなく、AR+ホログラムによる現実拡張でコラボレーションしたりと、コミュニケーション技術も激変の時代を迎えています。
課題は、一つ一つクリアしていけば、実現も可能でしょう。目指すは夢のデジタルスクール!
最後になりますが、YouTube「【世界初!?】自治体首長メタバース会議 #デジタルの日」は、とても楽しそうです。一度ご覧ください。では、おやすみなさい。