地上分解能(解像度)が1m以下の超高解像度(Very High Resolution:VHR)衛星を少額で「サブスク」購入する方法がある。フランスのエアバス・ディフェンス&スペース(エアバス D&S)が運用する「Pleiades(プレアデス)」衛星の画像は、100ユーロ単位で購入できる。

今回は、欧州の衛星データ配信プラットフォーム「Sentinel-hub(センチネル・ハブ)」の使い方と画像の購入契約について解説する。

エアバス D&Sから直接プレアデスや最新のPleiades Neoの画像を購入する場合、有償の契約が必要になる。ただし画像をダウンロードできる契約は年間4000ユーロ(56万円程度)からで、気軽に契約できる価格ではない。

そこでセンチネル・ハブを使う。センチネル・ハブとは、欧州が「Sentinel-1」などの画像を配布しているWebプラットフォームだ。欧州に住んでいなくても、誰でも無料でユーザー登録ができる。配布画像は光学衛星の「Sentinel-2(センチネル2)」が解像度10mと中程度だが、5日おきに最新の画像が無償で利用できるのでユーザーは多い。

このセンチネル・ハブを商用利用が可能になる最低限の有償契約(月払いで月額30ユーロ:日本円で約4200円)すると、オプションでPleiadesやPlanetの画像を数万円程度から分割して利用できるようになるのだ。

まずは衛星画像購入の契約から

1.契約のプランを選択する

  • センチネル・ハブのプラン選択画面

    センチネル・ハブのプラン選択画面(出典:センチネル・ハブ)

VHR衛星画像を購入するには、センチネル・ハブの商用衛星画像の情報を表示する。

「Commercial Third-Party Data」のところにPleiadesやMaxarといった画像のオプションが表示されているはずだ。Maxar画像を利用できるのは欧州在住のユーザーに限られているため、ここでは除外する。

まずは、Pleiadesのパネルを選択してみよう(要ログイン)。契約の単位は「クォータ」と呼ばれる100ユーロ分のPleiades衛星画像の利用券のようなものだ。画像の単価は1km2あたり8.5ユーロ(500km2まで利用の場合)なので、100ユーロを8.5で割ると11.7km2となる。およそ1万4000円で、東京都千代田区ほどの面積のPleiades画像を利用できる。ただし、最低購入面積が0.25km2という制限がある。

2.クォータを購入する

最低面積の0.25km2(500m四方)ずつ購入すると100ユーロのクォータでは42枚ほどの画像を購入できる。

「BUY」をクリックしてクレジットカード情報を入力して、クォータを購入する。VAT(付加価値税)がつくという表示があるため、100ユーロが実際には120ユーロで決済されるのでは? と思われるが、これまで日本から購入した限りでは、付加価値税はなかった。

  • クォータの購入画面(出典:cネル・ハブ)

    クォータの購入画面(出典:センチネル・ハブ)