また新製品は作業時間だけでなく、サーボシステムの評価指標であるモーション性能についても強みを発揮するとする。サーボモータのエンコーダ分解能は27bit、サーボアンプの速度応答周波数は4.0kHz以上と、いずれも業界最高レベルの性能を誇るとのことだ。さらにサーボモータの回転速度は7150r/分と、動作速度の向上にも寄与するとしている。
加えて、前世代品でも採用されていた、複雑なプログラムによるコントローラでの制御を必要としない「センサ直結フィードバック(変異制御)」タイプのサーボアンプを踏襲することで、コントローラを介さずにセンシングデータを直接取り込めるため、システム全体の応答性が向上するとのこと。さらに制御プログラムが不要になったことで、顧客の開発工数を削減し、高速・高精度での制御の導入ハードルを低減させることにもつながるという。
「グローバル市場に打って出ていきたい」
2015年に発売された前世代のサーボモータから約8年ぶりとなる新製品のMINAS A7ファミリーについて、パナソニック インダストリー 常務執行役員 産業デバイス事業部長の中山聡氏は「市場からの期待は非常に大きいと考えている」としたうえで、顧客の手間暇を最小化する新製品によって「昨今の苦しい市況に対して、パナソニックのサーボモータとしてグローバル市場に打って出ていきたい」と話す。
また中山氏は、グローバル規模での販売拡大を狙う姿勢を強調。その背景として「販売前後に一定量のメンテナンスが必要になるサーボモータだが、AIを搭載した新製品はそのメンテナンスの頻度が削減できるため、フィールドエンジニアを派遣する必要性が低減される」ことを挙げ、現在のメイン市場である東アジアに加え、欧州などさまざまな市場へと販路を広げていきたいとする。
なお、パナソニック インダストリーの西園勝ビジネスユニット長は、今後の目標として生産台数を3年後の2026年ごろまでに20万台/月まで引き上げたいとし、FA業界に幅広く製品を提供していきたいとしている。