センサ開発にはオムロンの持つ要素技術を集約
オムロン デバイス&モジュールソリューションズカンパニー 営業統括本部 新規事業推進部の岡孝則部長は、センサの開発において重要となったポイントとして、先述した高いセンシング性能の確保に加え、測定データをクラウドに送信するための通信プラットフォーム、それらの機能を小型の筐体へとパッケージする組み込み技術を挙げた。
センサをはじめさまざまな製品を提供してきたオムロンは、通信技術および組み込み技術についても、長年の開発・提供を通してノウハウを蓄積してきた実績を持つ。そのため今回の開発にあたっても、同社が保有する技術を組み合わせてソラテナProの開発を実現することができたとしている。
迅速な製品化を実現した“コンカレント開発”
また岡氏は、約15か月という短い期間でセンサデバイスの開発を完了できた要因として、オムロンのコンカレント(同時並行)な開発体制を挙げる。
同社は気象センサの開発期間中である2022年12月より、社内電子部品事業の研究開発機能を岡山事業所に集約。要素技術や生産技術などさまざまな段階の開発エンジニアが集まる同事業所では、設計の上流からあらゆる機能部門が協力して品質を作り込むコンカレント開発の体制を整備しており、今回のスピーディな開発にも寄与したとする。また今回のセンサ開発では、岡山事業所の一角を利用して実証実験なども実施していた。
加えて、ソラテナProの開発にあたってはコンカレント開発の中にウェザーニューズの担当者も巻き込み、顧客とともに開発を進めていったとのこと。これはオムロンとしても初めての試みだったとのことで、岡氏はその開発の時間を「非常に楽しかった」と振り返る。
また今後のハードウェア面での技術革新については、“使いやすさ”を向上させるため、通信や電源といった面でのブラッシュアップができると考えているといい、「より使いやすいものを作っていきたい」と話した。