軽量で大型ディスプレイモデル - Acer Swift Edge

Acerが日本市場で扱っているノートPCは日本語キーボードだが、先日発表された「Acer Swift Edge」が例外的に英語キーボードを搭載している。ディスプレイが16インチ WQUXGA対応の上、重量が1.17gだ。このディスプレイサイズでこの重量でさらに英語キーボードとなると、調査時点では日本市場で流注しているモデルとして唯一の存在となる。

  • Acer Swift Edge

    Acer Swift Edge

性能に対して魅力的なスペックと価格であり、英語キーボードのノートPCを探しているなら検討対象となるものだ。ただし、本稿執筆時点ですでに予約販売のみとなっており、入荷予定も数カ月後になっている。当然ながら、試用は難しい状況だ。

このようなモデルは後継機が出るかもわからないし、後継機が出ても日本で販売されるかわからず、その場合に英語キーボードモデルが出るかもわからない。今しか手に入らないモデルになる可能性があるので、そのあたりも含めて検討する必要がある。

Apple MacBook

AppleのMacBookシリーズには英語キーボードが用意されている。MacBookから選ぶ限り英語キーボードが存在するのかどうかといった不安はまずしなくてよい。

  • MacBook Pro M2 16

    MacBook Pro M2 16

問題はOSがWindowsではないということだ。OSにはmacOSが使われているので、MacBookでWindowsを使う場合は仮想環境を使う必要がある。本稿執筆時点では、「Parallels Desktop 18 for Mac」がARM版Windowsにオフィシャル対応しているので、この製品を使うのが現実的な選択肢となる。

ビジネス用途であれば、Parallels Desktopの仮想環境でWindows 11を使うという形態で、ほとんどの用途はこなせるが、この環境のWindows 11には次の制約がある。

  • WSL (Windows Subsystem for Linux)を利用できない
  • Hyper-Vを利用できない
  • グラフィック関連の性能が多少落ちる
  • Windows Updateなどの配信タイミングが遅い

Appleシリコンの性能がそもそも高いので、通常の用途で仮想環境で動作するWindows 11のパフォーマンスに問題を感じることはないと思う。しかし、Windows 11で仮想環境系の機能が使えないので、WSLやHyper-Vを使うような開発者にとって、この環境を選択肢に入れることはできない。MacBookを選択するなら、その辺りを検討する必要がある。

番外編その1 - キーボードonキーボード

どうしてもこうした英語キーボード対応モデルから選択することができないという場合は、ノートPCの上に英語キーボード単体を載せて使うというスタイルを使うという方法もある(参考「ノートPCのキーボードに別のキーボードを乗せるとこんなに便利 | TECH+(テックプラス)」)。

  • Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S 無刻印/墨(英語配列)

    Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S 無刻印/墨(英語配列)

この使い方は「尊師スタイル」とも呼ばれている。デスクトップPCと同じキーボードを使うことができるので、手になじんだキーボードを使えるという利点もある。慣れるとそれなりに便利な使い方だ。ただし、移動するときにノートPCとキーボードと両方持っていく必要があるのでそれが難点だ。

番外編その2 - PowerToys

悩みがショートカットキーだけで、記号の場所が違う点は妥協できるなら、PowerToysを使ってショートカットキーだけ入れ替えるという方法がある。この方法であれば、日本語キーボードのノートPCが選択対象になるので、選べるモデルが一気に広がる。

  • PowerToys

    PowerToys

  • PowerToys - Keyboard Manager

    PowerToys - Keyboard Manager

PowerToys自体がエキスパート向けのツールであり、状況よっては置き換えがうまくいかないショートカットキーもあるのだが、ほとんどのケースで問題なく使える。

いつまでもあるとは限らない「英語キーボードモデル」

英語キーボードのノートPCは今後も対応モデルがあるとは限らない、ということは頭に入れておく必要がある。これまで英語キーボードが用意されていたモデルも、現在では日本語キーボードモデルのみになっているというケースがあり、ここ数年で選択肢が狭くなっているように見える。

コスト削減という面で考えると合理的な流れなのだろうが、英語キーボードが必要なユーザーにとっては、厳しい状況のように思える。

そんなわけで、英語キーボードのノートPCはいつまで手に入るかわからないということを念頭に置きつつ、購入製品を選んでもらうことをオススメしたい。特に今回の調査時に発表された「Acer Swift Edge」のような掘り出し物が現れることがあるので、こうしたモデルを見逃さずに検討対象に加えてもらえればと思う。

なお、英語キーボードのノートPCを使う場合は、「英語キーボードを日本語環境で使いこなすために必須の設定とは? | TECH+(テックプラス)」なども参考にしていただければ幸いだ。