日本で販売されているノートPCには、当然、日本語キーボードが搭載されている。英語キーボードが搭載されているノートPCは少ない。しかしながら、普段英語キーボードを使っている人にとって、日本語キーボードのノートPCは使いにくい。できれば英語キーボードのノートPCが欲しい。そんな人向けに、英語キーボードのノートPCを購入する場合の候補や選び方などを紹介しよう。

日本語キーボードと英語キーボード

日本市場で流通しているPCの多くは「日本語キーボード」と呼ばれるタイプのキーボードが使われている。キートップにひらがなが印字されていることが多く、日本語変換に特化したキーがいくつかある。Enterキーが大きいという特徴もある。

  • MacBook Air M2 日本語キーボードモデル

    MacBook Air M2 日本語キーボードモデル

キーボードには「英語キーボード」と呼ばれるものもある。英語キーボードにひらがなの印字はなく、日本語変換に特化したキーもない。同列の種類であれば日本語キーボードよりもキーの数が少ない。

日本市場で流通している多くの日本語キーボードと英語キーボードは「QWERTY配列」と呼ばれるキー配列が使われているのでアルファベットの配置はほとんど同じだ。一方、記号などの配置には異なる部分がある。

英語キーボードが使われる理由

国内でも、日本語キーボードよりも英語キーボードを好んで使う人がいる。理由はいくつもあるが、機能面での理由に「ショートカットキー」がある。

アルファベットの配置は日本語キーボードも英語キーボードもほとんど同じなので、アルファベットの入力で違いを感じることは少ない。日本語キーボードと英語キーボードで最も異なるのは「記号」キーだ。記号キーの配置が違うと、入力場所が異なるので戸惑うということもあるが、ショートカットキーを使うときに大きな影響がある。

人気の高いアプリケーションの多くは米国で開発されていることが多く、そうしたアプリケーションで設定されているショートカットキーのほとんどが英語キーボードを前提に設定されている。つまり、英語キーボードを使っていると、ショートカットキーが比較的アプリケーション開発元の意図に近い状態で使える。

しかし、これが日本語キーボードになると、記号キーの配置が異なるので記号を含むショートカットキーを押す場所が異なる。英語では、意味の反転するショートカットキーが左右に配置されているのに、日本語キーボードでは微妙に上下にずれた位置に配置されていたり、そもそも押すキーに統一性がなかったりする。

なぜこんな押しにくいショートカットキーが設定されているのかと疑問を感じた人もいると思うが、そのショートカットキーも英語キーボードなら自然に押せるキーの組み合わせになっていることがある。

例えば、「{」と「}」(「Shift」+「[」および「Shift」+「]」で入力)は英語キーボードでは隣に配置されている。このため、「Ctrl」+「Shift」+「[」と「Ctrl」+「Shift」+「]」というショートカットキーが意味が逆になる機能に割り当てられる。隣り合っているので操作しやすい。

しかし、日本語キーボードでは、これらキーが微妙にずれた上下に配置されているので、とても押しにくい。このようなショートカットキーが行ったり来たりするような操作に割り当てられていると、日本語キーボードはかなりイラッとする。

こうした例はいくつもある。またデザイン面からしても、ひらがなが印字された日本語キーボードは煩雑な感じがするので、印字もキーも少ない英語キーボードを好んでいる人もいる。

このように、理由はさまざまだが、日本においても英語キーボードには一定の需要がある。特にキーボードで高速入力が必須で、かつ、英語キーボードでないと困るという人にとって、キーボードレイアウトはとても重要な問題だ。