そうした走行中給電システムは磁界を使用して電力の無線伝送を行うため、送電コイルと受電コイルの間のギャップを短くすることが重要とされている。そこで同社会連携講座では今回、自動車で唯一地面に接するタイヤの中にコイルを配置するタイヤ内給電システムを検討することにしたという。
タイヤ内給電には、磁界を中継するコイルが使用される。タイヤ内とホイール内に配置された中継コイルに給電が行われ、さらに中継コイルからハブに取り付けられた受電コイルに非接触で電力が送られる。また、タイヤ内の中継コイルと、ホイール内の中継コイルは電線でつながっているため、金属製のホイールでも送電が可能だという。
さらに今回の方式であれば送電コイルと受電コイルの距離を短くできることから、電力伝送の高効率化を実現できるだけでなく、従来の方法よりも大きな電力を送ることも可能になるともしている。
なお、同社会連携講座では今後、タイヤ給電のみならず、SDGsを実現するための多様な先進的モビリティ技術の研究開発を続けていくとしており、中でもEVのドライブシステムの研究に注力する予定としている。