自動搬送ロボットがもたらした2つの効果
では、自動化ロボットの導入の効果はどれほどだったのだろうか。 わかりやすい指標は、元来の自動化の目的でもある「省人化」だ。これについて山善の担当者は、「それまで12人で行っていたピッキングと仕分けの業務が、5人で行えるようになった」と話す。3倍に迫る業務効率の向上によって、当然人件費も削減される。そのコストパフォーマンスについても効果が見られたといい、「t-Sortは月額制でのレンタルで、月あたりの費用と削減された人件費で比べると、前者の方がはるかに小さい」とする。
また、t-Sortの導入で得られたもう1つのメリットに「作業ミスの減少」を挙げた。従来のシングルピッキング方式では、各配送先での必要数を都度確認する必要があり、また人手での作業だったために、ミスが発生することがあったという。しかし、t-Sortの導入により仕分け作業をロボットが行うようになったため、「配送数量のミスは限りなくゼロに近くなった」とのことだ。
さらなる自動化へ積極的にチャレンジ
前出の担当者は今後もさらなる自動化を目指すといい、「協働ロボットを活用してJANコードの読み取りやロボットへの積載ができれば、さらなる省人化も実現できる」と語る。
また、幅広い商品群を取り扱う同社は、今回の事例を幅広く活用する可能性があるとのこと。2023年の本格稼働開始を予定する新拠点の「ロジス新東京」(埼玉県北本市)でも、積極的に自動化ソリューションの活用を検討する見込みだとし、「今回のロジス関東の事例をさまざまに広げていきたい」と担当者は語る。
大型受注を契機として、自動搬送ロボットによる大規模な仕分け自動化に取り組んだ山善。日に日に重要性を増す物流現場の業務効率化に向けて、チャレンジを続ける。