内視鏡はつらいイメージ?実際受けると「案外楽」という意見も
読者の皆様は“内視鏡検査”についてどのようなイメージを持っていますか?
「痛い」や「苦しそう」といったネガティブなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
内視鏡のトップシェア、オリンパスが2021年に発表した 「胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書 2021」では、胃の内視鏡検査について、全体の80.8%が「つらいイメージ」と回答しています。
しかし、同調査では、「つらくないイメージ」を持つ人の45.1%が回答理由を「実際に受けたら、想像していたよりも楽だったから」と回答しているのです。
近年では、患者の負担軽減のために、内視鏡メーカーや医療機関が、さまざまな工夫を行っています。医療機関が取り入れている工夫の1つに「セデーション(意識下鎮静法)」があります。
セデーションとは、鎮静剤を静脈注射することにより“ぼんやりとした感じ”で内視鏡検査を受けることで検査中の苦痛を軽減するというものです。
今回、セデーションを実施している「田坂記念クリニック」で、上部消化管内視鏡検査(胃の内視鏡検査)を行う編集部員に同行しました。初めて内視鏡検査を受けるという編集部員ですが、実際の検査はどのようなものだったのでしょうか。
「もう終わったんですか……?」気になる胃の内視鏡検査の流れとは
編集部Y「1年ほど前から突然胃液があがってくるような症状が出ていまして……。ただ、内視鏡検査はとにかく痛いイメージで敬遠していました……。」
少し緊張した様子のYさん。27歳と若いながら、胃液が上がってくるような症状が出ているということで、田坂記念クリニックで、内視鏡検査を受ける予定です。内視鏡検査を受けるのは初めてということで「痛い、つらい」といったイメージがあるとのことでした。
内視鏡検査は、口または鼻から内視鏡を挿入して食道・胃・十二指腸などを検査する「上部消化管内視鏡検査」と、肛門から内視鏡を挿入する「大腸内視鏡検査」があります。
今回は、胃や食道に不安な症状があるということで、上部消化管内視鏡検査を受診します。上部消化管内視鏡検査を受ける前日の準備から見ていきましょう。
前日は21時までに食事を済ませます。それ以降、検査前まで水だけは飲むことが可能。事前準備はそれだけです。
検査当日は問診の後、のどの麻酔を行います。
大腸内視鏡検査は検査着に着替える必要がありますが、上部消化管内視鏡検査は着替える必要はありません。のどの麻酔の前には、胃の中の泡を消す薬を飲みます。のどの麻酔は、ゼリー状の麻酔をのどに少しの時間ため、最終的に飲み込むというもの。口から内視鏡の管を通すため、嘔吐反射(のどの奥に物を入れるとオエッとなってしまう反射のこと)が起きないようにする麻酔だそうです。
のどの麻酔を飲み込んだYさんによると「のどの麻酔はそれほど苦くはないです。麻酔後は、のどがじんわりするような感覚ですが、特に苦痛ではないですね」とのことです。
そして、のど麻酔の後はいよいよ検査室へ。
Yさんは「内視鏡、痛かったら我慢できるかな……」と不安げです。
検査台に横になります。そして、鎮静剤と鎮痛剤を注射で投与していきます。これがセデーションにあたる処置です。そして、口が開いたままになるように、マウスピースと呼ばれる補助具を口にくわえます。そこから内視鏡を入れる形です。
するとマウスピースをくわえたくらいで、Yさんが目を閉じました。
Yさんに後ほど聞いたところ、マウスピースをくわえたくらいから眠ってしまい、検査中のことはあまり覚えていないとのことでした。
田坂記念クリニックの担当者に伺ったところ、鎮静剤と鎮痛剤によって、個人差はありますが、眠っているような、意識がぼーっとなる状態になるとのこと。電車の中で居眠りをしている状態に近い感じでしょうか。1時間ほどで眠気は回復しますが、ぼーっとした感覚が残るため、当日は車や自転車の運転は厳禁とのことです。
検査は15分ほどで終了しました。
検査終了後、Yさんは眠った状態のまま、リカバリー室に運ばれました。この後1時間ほど休み、検査は終了です。
そして、気になる検査結果は……
異常なし!
医師による検査結果の説明やアドバイスを受けて、Yさんは帰宅しました。
編集部Y「検査中に眠ってしまい、起きたら別の部屋でした。小説などで“気づいたら病院の天井”というシーンがありますが、それに近かったです。検査前は、痛いイメージがあったのですが、実際受けたところ検査の嫌な記憶や痛い記憶はまったくありません。結果も何事もなくて本当に安心しました!」