ServiceNow Japanは10月20日、同社ソリューションの最新情報の提供を目的とした年次イベント「ServiceNow World Forum Live in Tokyo」を3年ぶりにリアル会場にて開催した。
イベントの基調講演では、米ServiceNowの創業者の1人で、CTO(最高技術責任者)でもあるパット・ケイシー氏が登壇し、同社が提供するクラウドプラットフォーム「Now Platform」のコンセプトをあらためて説明した。
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誰もがデジタル化を達成できるサービスを目指して
「Now Platformはデジタルビジネスのためのプラットフォームであり、プロセスの最適化、データとサイロをつなぐ、イノベーションの加速、といった3つの価値を提供する。共同創業者のフレッド・ルディは、ビジネスプロセスのデジタル化を誰もが進められるプラットフォームを目指してサービスを構想した。現在はさまざまなシステムを統合するプラットフォーム・オブ・プラットフォームとして、また、誰もがビジネスアプリケーションを構築できるサービスとして進化している」とケイシー氏は語った。
働き方の変化にともなって人材の獲得競争が激しくなっている。また、データがシステム間で断片化されている企業はいまだに多い。不確実性は高く、現在はリセッション(景気後退期)の到来が予想されている。
そうした状況を踏まえつつ、ケイシー氏は「ビジネスにおいては事業の維持とイノベーションとのバランスが重要になる」と前置き、「完全なデジタルがすべてを変える」と断言。企業がデジタル化することの価値を説いた。
「デジタル化でさまざまな問題に対応できるようになる。ワークフローの冗長性を取り除ければ、業務の効率性をより向上させることができる。サプライチェーンを完全に可視化できれば、問題とその回避策も見つけられるだろう。コンプライアンスチェックをシステムに組み込むことができれば、取り組むべき規制への対応もスムーズになる」とケイシー氏。
2022年10月4日にリリースしたNow Platformの最新版「Tokyo」では、人材の育成・定着を支援するためのマネージャーや人事担当者向けの新機能のほか、データセキュリティを高度化するため新ツール、サステナビリティ関連のデータ提供やサプライチェーン管理といった目的別ソリューションの提供が開始された。
認定試験のローカライズなど日本への投資を強化
ServiceNow Japanからは執行役員社長のジェームズ・マクリディ氏が登壇し、日本の企業が積極的にデジタル変革を受け入れている現状を踏まえ、同社が日本への投資を拡大していくことを明かした。
「日本の各業界、そして社会全体に当社のサービスを届けるべく、新たに『Limitless Japan』というプロジェクトを立ち上げ、日本市場へのさまざまな施策を検討している。お客さまやパートナー企業の価値を最大限引き出すために、今後は教育コンテンツのローカライズや、パートナー企業とのジョイントソリューションなどを展開していきたい」とマクリディ氏は述べた。
Limitless Japanの下、同社は今後、英語版のみでリリースされている一部のソリューションや認定試験の日本語化に加えて、ユーザー向けのサポートコンテンツの内容を充実させつつ日本語版の提供も進めるという。また、ServiceNow製品の開発者コミュニティも拡充するという。
このほか、国内企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を統括する役員、CxO(Chief x Officer)などとのエンゲージメントの構築を行う「エグゼクティブアドバイザー」を日本でも設置する予定だ。
ServiceNow Japan 執行役員 ソリューションコンサルティング事業統括 事業統括本部長の原智宏氏が、「激変するマクロ環境はビジネスに大きな影響を与えており、多くの企業が優れた人材の発掘、柔軟性と強靭性のあるサプライチェーンの構築、それらを支えるビジネスオペレーション整備という課題に直面している。当社はそうした課題を解決し、ビジネス改革に直結する『新しい業務の在り方』を、お客さまとともに実現したいと考えている」と説明した。