研究チームによると、この電池は300サイクル以上の間、可逆的に充放電が可能であることも確認され、この長寿命はNa2FeS2の有する、独特の結晶構造によるものであることが判明したという。

一般的な大容量の金属硫化物系電極材料は、大きな化学結合や構造の変化を伴う「コンバージョン型」の充放電反応を有するものが多いが、今回の研究で開発されたNa2FeS2は、骨格構造を保持した状態で可動イオン(この場合はナトリウムイオン)の挿入脱離が生じる、インサーション型の充放電反応が主として生じていることで、高い可逆性が実現したことが考えられると説明する。

なお、今後については、急速充電に対応できるような高入出力化に向けた検討や優れた負極材料の適用などにより、より安価で高性能な全固体ナトリウム電池の実現に向けてさらに研究を発展させていくとしている。