キヤノンは9月5日、同社が製造・販売する半導体露光装置のユーザサポート向けソリューションプラットフォーム「Lithography Plus(リソグラフィプラス)」のサービス提供を開始。併せて新サービスに関する記者説明会を開催し、同社事業本部長の武石洋明氏、同副事業本部長の岩本和徳氏、同部長の杉山聡氏が登壇し、サービス内容の説明などを行った。
需要の多様化が進む半導体関連産業
IoTの活用・拡大が急速に進む中、その実現に不可欠な半導体も用途の多様化に伴い、需要拡大が予想されている。キヤノンの武石氏は「半導体関連産業全体として成長軌道にあることは間違いない」と、半導体デバイスのみならず、半導体製造装置においても市場の急激な拡大が期待される状況にあるとする。中でも半導体の安定供給に向けて、重要度の高い半導体露光装置の稼働率向上や業務効率化が重要視されるようになってきているという。
そうした中、50年以上にわたって半導体露光装置を手掛けてきた同社も、長年にわたって露光装置ユーザー向けサポートを行ってきた。Lithography Plusは、そうした長年にわたって培ってきたサービスで蓄積したノウハウやデータを統合的に活用した生産性向上に向けたプラットフォームとして開発されたという。
同サービスについて同社では、半導体露光装置を中心に、周辺の装置から得られたデータと、専門のエンジニアが有するナレッジを活かした価値提供を行うほか、そこから新たなデータやノウハウを得ることで、プラットフォームにおける好循環を生むとしている。
半導体露光装置のサポート業務を効率化
杉山氏は、同サービスは3つの強みを持っていると説明する。1つ目の価値の1つとしては、半導体露光装置のサポート業務の効率化が挙げられた。具体的な機能として、サービスに接続された装置の稼働状況を全体的に俯瞰できるダッシュボード、装置の稼働状況を可視化し生産性の向上を試算できる生産性シミュレーション機能などが搭載されているという。
また同氏は、「今までエンジニアのノウハウに頼っていた半導体露光装置の稼働管理が、ワンボタンで行えるようになる」と、これらを活用することで露光装置の稼働管理業務の効率を最大で30%程度向上させるとするほか、「半導体露光装置のサポート業務を効率化することで、顧客の生産性が飛躍的に向上すると考えている」と語った。