それらの衛星銀河の比較が行われたところ、大型銀河ごとの衛星銀河の数には大きなばらつきがあることが判明。ただし、おおよそ天の川銀河の衛星銀河の数と同程度であり、天の川銀河は衛星銀河の数が特別少ないわけではないということが判明したという。

  • 検出された衛星銀河の一部

    検出された衛星銀河の一部。多くの衛星銀河は淡く広がっているという (C)国立天文台 (出所:すばる望遠鏡Webサイト)

一方、親銀河から見た衛星銀河の配置を調べたところ、どの方向にも同程度の衛星銀河が存在する等方的な配置の兆候が示されていることが判明。天の川銀河の衛星銀河の多くは同一平面上に偏って分布しており、その配置の特異性が浮き彫りにされる結果となったという。この結果は、実は天の川銀河が、宇宙の中で典型的な銀河ではないことが示されている可能性もあり得ると研究チームでは説明している。

なお、もっとも観測が進む天の川銀河は宇宙論モデルの比較対象としてよく採用されることから、天の川銀河が標準的な銀河であるのか、それとも特殊な銀河であるのかは、宇宙論モデルの根幹に関わる問題だとされている。そのため、研究チームでは、今後のさらなる観測によって、天の川銀河以外の衛星銀河の3次元分布の精査と観測例の蓄積が進めば、衛星銀河の普遍的な性質が明らかとなり、宇宙論モデルと観測結果をより公平に比較できるようになるだろうとしている。