新製品を搭載したxEVの実車走行デモも実施
記者発表会の後半では、AE5を搭載したxEVの実車走行デモンストレーションも行われた。
今回使用された車両には、AE5が組み込まれたインバータが搭載されている。ルネサス担当者によると、デモ車両を作ることで、実際の走行シーンにおける実証実験を行いながら、ソリューションを継続的に改良しているとのことだ。
車載用パワー半導体市場の展望についても説明
今回の発表会では、車載パワー半導体における過去の変遷や今後への展望について、ルネサスのパワーシステム事業部長を務める小西勝也氏が説明した。
バス電圧の高圧化やインバータの強力化など、さまざまな側面での技術革新が続く中で、特にパワー半導体の素材については、SiCやGaNなどの新素材が登場するなど、注目が高まっている。
小西氏は、特にSiCの存在感を無視することはできないとしつつも、「IGBTはSiCに比べて、コスト面やサプライチェーン構築の面で大きな優位性がある」と語る。
「SiCは業界でも大きなブームが来ていて、競合企業も含め技術動向については我々も注視しているが、今後さらに必要量が増加する中で、SiCの市場を形成できるのかについては、現段階ではまだ確実とは言えないと考えている」とした上で、「まずはSiのIGBTを提供することで需要に応えていきたい」と話した。