FUTABAのミッション内容のうち、鉛フリーはんだのウィスカ検証実験とは、鉛フリーはんだの宇宙機での使用に関する実験。鉛フリーはんだを用いた製品を宇宙で使用した場合、鉛フリーはんだからひげ(ネコやネズミのひげを英語でウィスカという)のような細い糸が生じることがある。このウィスカが、衛星などの電子機器にさまざまな不具合を起こす可能性があるため、FUTABAではこの現象を観測し、今後の宇宙開発に役立てることを目的としているという。

もう1つの磁気トルカを用いた3軸姿勢制御だが、こちらは地球の地磁気を用いて衛星の姿勢制御を行う実験。FUTABAには電磁コイル(磁気トルカ)が搭載されており、それで姿勢を制御してカメラで地球の撮影を行うというものである。スペースの限られている超小型衛星の姿勢制御手法として、注目されている技術だという。

またFUTABAを開発した九工大衛星開発プロジェクトだが、これは学部生を中心とした72人の学生が参加するプロジェクトで、今回のFUTABAプロジェクトは2017年にスタートし、九工大衛星開発プロジェクトに所属する学生40名が参加したほか、FUTABAの開発には、北九州の敬愛中学校・高等学校の理科研究部の生徒たちも参加したという。九工大では、今回のプロジェクトを通じて、学生が知識や経験を吸収し、宇宙分野をはじめ、さまざまな分野で活躍する人材が生まれることを目指しているとしている。