ムーアの法則を維持するための未使用元素の活用
半導体はシリコン(Si)から始まって、絶縁にSiO2を使い、配線に最初はAl、そしてその次には抵抗値の低いCuを使い、トランジスタのゲート材料に高誘電率のHfO2を使うなど、周期律表のあちこちの位置からいろいろな物質を使っているが、まだまだ使っていない元素がたくさんあり、これを使い尽くすまで努力をやめないと言う。ただ、やみくもに新しい元素の物質を使えばよいわけでは無いが、周期律表に、まだ、使っていない原子があればトライして、より高性能の出せる材料を見つけるというのはプロセスエンジニアの意気込みである。
集積度を上げていくのがムーアの法則であるが、ムーア氏は大きなシステムを作るときに、集積度の大きな大チップを作るよりも、小さな部品を配線でつないで作る方が経済的というムーアの法則を見直す日が来るかもしれないと述べた事があったという。
Intelのパッケージの歴史を見ると、リードフレームにワイヤボンドを使って配線を取り付け、次にセラミック基板にフリップチップでチップを取り付け、その次はフリップチップで樹脂基板にチップを取り付けるという方法といった流れになっている。この時代までパッケージの主な役目はマザーボードとダイの間の電源と信号を接続することであった。
それが2.5D EMIBでは端子の接続が密になり、3D Foverosでは、さらに密になり、3D Foveros Direct & Omniでは冷却も高度になる。
OpenなUniversal ChipletはArmやRISC-Vなどがオープンなチップレットを作り共通部品としてパッケージ上で混在できるようにしようというプロジェクトである。共通部品チップのインタフェースはUCIe(Universal Chiplet interconnect Express)で標準化しようとしている。
そして、複合したチップを作るだけではなく、増加する一方の大電源電流の供給や大電力チップを冷却する先端的クーリングの提供などもIFS(Intel Foundry Services)の提供テクノロジに含まれている。そして、チップ全体としての最適化も忘れてはならない。
結果として、IFSは半導体の新しい黄金時代のチップやシステムを供給する先導役となることを目指していくという。