実食レポートも展示される「美食奇食珍食生物」
続いては、特別展のサブタイトルにもなっている「美食奇食珍食生物」のコーナーへ。ここでは、特定の地域ではよく食されているという珍しい生き物が展示され、スタッフによる実食レビューも掲示されている。
展示全体でも屈指の人気を誇るセミエビやオオグソクムシ、かわいらしい見た目でも毒を持つハコフグ、さらに東南アジアで食されるというタランチュラやサソリも展示されている。
また、延長戦からはイシワケイソギンチャクやナマズを追加展示。特別展スタッフ曰く、前者はパリッとした歯ごたえが特徴的で、後者はウナギの代替食材としても期待できる食感とのことだ。
さらにこのコーナーでは、食を嗅覚で感じる展示として、滋賀県の郷土料理として知られるふなずしの匂いを人工的に再現したブースも設置されている。ボタンを押すと頭上から独特のにおいが降ってくる仕組みで、独特なにおいを疑似体験できる。
注目を集める昆虫食の展示がパワーアップ!
続くコーナーは、SDGsなどへの関心が高まる近年大きな注目を集めている昆虫食がテーマ。コオロギやカイコガなど、次世代食材としても期待される生き物たちが集まっている。このコーナーの生き物についても、試食したスタッフによるレポートが掲示されている。
延長戦からの追加展示となるトノサマバッタは、食材としても栄養価が高い上に、人間が食べないイネ科植物の葉を食料とすることから、人間と競合しないサステナブルな食材として注目され、養殖の研究も開始しているという。
さらにこのコーナーでは、体験展示としてタガメの匂いを体験できる。こちらは実物のタイワンタガメが展示されており、ポンプを押すことで匂いが漂ってくる。スタッフは「青リンゴや洋梨のような香り」と表現しており、恐る恐る体験してみると、まさにその通りのフルーティな香りがした。
ここに展示されているすべての生き物を試食したスタッフも、当初は昆虫食に抵抗があったという。
「はじめはなかなか食べる決心がつかず、いざ口に入れてからもなかなか噛み切れませんでした。ですが試食を重ねるうちに慣れていって、気づけば揚げたての昆虫を熱々のうちに食べるおいしさを楽しんでいました」と笑顔で語った。