車載向けMLCCの8割を握る村田製作所とTDK
現在、車載MLCC市場は、村田製作所とTDKの2社でほぼ80%のシェアを握っているという。この2社は、車載MLCCの生産能力を増強するだけでなく、さまざまな関連アプリケーション向けサービスの提供も強化しているともする。
例えば、製品設計のコラボレーションを通じて顧客との連携を深め、サービスの開発をモジュラーレベルに進めている。自動車用パワートレインシステムとADASの分野では、村田製作所とTDKがイメージセンサモジュール、インテリジェントパーキングアシスト(IPA)モジュールなどのソリューションとサービスの提供を開始している。
このほか、Samsung Electronicsは2022年、自動車製品の認定プロセスを完了しており、2022年第3四半期に向けて天津工場の生産能力を徐々に引き上げていく計画。台湾YAGEOについては、高雄を拠点とする新生産ラインが2022年第4四半期にパイロット生産を開始する予定で、その大半が高電圧MLCCおよび大型車載MLCCと見られるとする。この新ラインは、2023年第1四半期末ころに量産に移り、初期の総生産能力は月産80〜100億個と見られ、順次、軍事、ネットワーキング、自動車、医用などのハイエンドアプリケーションへ適用範囲を拡大するものとみられるという。
なお、TrendForceでは、中国の製造業が回復の兆しを見せていることから、2022年第3四半期には各地域の生産拠点は完成品の出荷を増やすことが見込まれるものの、地政学的リスクやゼロコロナ政策などの不安定要素から、下半期のMLCC市場に悪影響を与える可能性があるともしている。