中国の都市封鎖により製造業は工場の操業を通常状態に戻すことに苦心する中、世界的なインフレの進行により、スマートフォン(スマホ)、ノートブックPC、タブレットなどの家電製品の需要が低迷していることから、現在、すべてのサイズのMLCC(積層セラミックコンデンサ)の一般的な在庫レベルが90日を超える状態にある。そのためTrendForceは、民生向けMLCCの価格が2022年下半期に平均で現在から3〜6%ほど下落するとの予測を公表した。
一方、HPC(サーバ含む)、ネットワーク機器、FA、エネルギー貯蔵システムなどからのMLCCに対する強い需要があることから、そうしたハイエンドセグメントおよびその他のアプリケーションセグメント(自動車用電子機器や産業機器など)の伸びに支えられ、2022年通年のMLCC出荷数量は前年比2%増の約2.58兆個になるとTrendForceでは予測している。
また、同社の調査によると、民生向けMLCCの価格は2022年第1四半期、前年比5〜10%ほど下落したと見られるほか、需要の掘り起こしに向け、MLCCサプライヤ各社は2022年第2四半期に価格をさらに3〜5%引き下げたという。最終的に民生向けMLCCの価格は、2022年下半期にさらに3〜6%ほど下落するものと同社では予測している一方で、産業向けMLCCは下半期で1~2%ほどの下落か横ばい、車載向けMLCCの価格はほぼ横ばいとの見方を示している。