Googleと組んで無料のチップ試作サービスの提供を始めたEfabless社は、同様のテクノロジを使って安価にチップの試作や小規模量産を行うビジネスを展開しようとしている。無料の試作は魅力があるが、ビジネスをしようとしている人にとっては、自分のアイデアがオープンになって、パブリックに使われるようになってしまっては困る。
Efabless社は、そのような顧客向けに無料ではないが比較的安価にチップの試作や小規模量産ができるオプションを提供している。
Efabless社は、パート1のオープンPDKに続いてパート2としてEDAツールの組み込み、パート3としてシリコンの製造と言うステップを考えている。EfablessはEDAツールが組み込まれれば、サーバを24時間稼働させて設計を最適化させてやれば無人の設計も可能になると考えている。
シリコン製造の最初のステップは2020年11月に実施したMPW-ONEで、そして、2021年に第2弾のMPW-TWOウェハを製造する。
そして2021年4月からはChipIgniteというプログラムも開始する。ChipIgniteではオープンでないチップの試作や小規模量産に対応しており、自社のテクノロジをオープンに開示することなくチップが作れるようになる。ChipIgniteは無償ではないが比較的安価に試作ができるようになっている。
OpenMPWプログラムには、2020年には45の設計が寄せられた。そして、2021年に製造を予定している3ウェハには200以上の設計が寄せられている。さらに、2022年には1000以上の設計が集まると予想している。
ChipIgniteは最初のウェハが2021年4月、2番目のウェハが2021年11月に製造される予定であった。
MPW-1ウェハは2020年11月に製造が終わったのであるが、意図したとおりに動作しなかった。
MPW-2とMPW-3の製造は途中でストップして調査を行った結果、問題の原因が分かった。
問題が見つかったので、MPW-2とMPW-3は途中で製造をストップさせた。
2021年10月完成予定のChipIgniteチップはシリコン基板に作り込んだトランジスタ部はそのままで、金属配線を変更するだけで問題を修正できることが分かり、ウェハの製造を再開した。
その後、OpenMPWのウェハについても問題の解決法が見つかり、修正を適用した。MPW-2とMPW-3ウェハは、もうすぐ、修正したものが完成する手筈になっている。また、メタル配線の修正を行った最初のChipIgniteウェハは、正常に動作することを確認した。