そして過去の広範なモノポール探索のデータを、大気中の原子核との衝突で生成されるモノポールの観測結果として再解析を実施。

その結果、これまでの加速器実験では到達できない質量範囲も含めた広い範囲で、モノポールの生成断面積についての上限を得ることに成功したという。

これにより、これまで行われてきた宇宙線観測でのモノポール探索の結果を、モノポールの生成断面積に対する制限と解釈することが可能になり、さらにその結果と、LHC実験で行われたモノポール探索実験の結果と直接比較することができるようにもなったとする。

  • 磁石、仮想的なモノポールの模式図

    (左)磁石、仮想的なモノポールの模式図 (C)Kavli IPMU、(右)宇宙線と地球大気の衝突によるモノポール(M)生成の模式図 (C)Volodymyr Takhistov/Kavli IPMU (出所:Kavli IPMU Webサイト)

今回の研究では、宇宙線観測実験の結果として、SLIM、AMANDA-II、RICEなどのグループの結果が用いられ、これまでのLHC実験で到達できないモノポールの質量領域(5TeV~100TeV)において、衝突による生成断面積に対する新たな制限を得ることに成功した形だ。

また、今回の研究成果のユニークな点としては、宇宙線と大気中の原子核との衝突によるモノポール生成現象を、宇宙線中のモノポール探索の結果解析に応用したことだとする。

今回の研究は、モノポール探索に新しい視点を与えるもので、これまでの残存モノポール量に基づいた観測による制限と、加速器による直接探索による制限とを初めて結びつけるものだという。そして、今後、地上の観測施設で行われるモノポール探索の解釈に有用な指標となることが期待されるとしている。