また、ハイエンドのスマートフォン向けアプリケーションプロセッサなどを生産委託している顧客は、TSMCと長期大量購入契約を締結しているようで今回の値上げの対象ではないとも言われている。台湾業界関係者は、値上げの対象はHPC向けや車載半導体など非消費者向け半導体が中心との見方をしている。
あるファブレスIC設計会社は、TSMCは生産能力不足、インフレ、生産コスト上昇などを考慮し、値上げを決定したようだと分析しているほか、日本(熊本)や米国(アリゾナ)での新工場建設費用が予想以上にかかることも一因にあるとの見方を示している。世界的には相変わらず、半導体不足が続いており、半導体はいまだに売り手市場であることも値上げの背景にはあるようだ。