LGがグループ全体で進める車載半導体ビジネスへの本格参入準備
なお、LGグループは20年ほど前に経営環境の悪化から半導体事業(LG Semiconductor)を手放し、Hyundai Electronicsとの合併として2001年にHynix Semiconductorを設立。そのHynixも2012年にSKグループ入りとなり、SK Hynixへと改名されている。半導体ウェハ製造会社のLG Siltronも2017年にSKグループに売却されてSK Siltronとなり、ファブレスのSilicon Worksも2021年5月にグループから分離され、LX Semiconとして独立されるなど、半導体とは縁遠くなっていた。
とはいえ、LGグループでカメラモジュールや電子基板など広範な電子部品を製造するLG Innotekは2021年、最新Wi-Fi規格であるWi-Fi 6Eを活用した「車載用Wi-Fi 6Eモジュール」を開発、車載半導体設計事業を開始するなど、半導体再び、という動きを見せつつもある(製造委託先は、独Infineon Technologies)。
LGが手掛ける多くの家電製品などに半導体が組み込まれていることを考えれば、自社で半導体を手掛けようという動きは考えられる話で、こうした動きについて韓国電子産業ならびに自動車業界からは歓迎の声があがっているという。また、韓国政府も近年、非メモリ半導体産業の育成を国策として進めてきており、そうした背景もありLGもグループ一丸となって再び半導体ビジネスに挑もうとしているようだ。