海外進出の加速で台湾のシェアが低下する可能性

TrendForceによると、台湾は2022年の世界ファウンドリ生産能力(300mmウェハ換算)の約48%を占めるとするほか、300mmウェハファブに限定すれば世界の50%以上のシェアとなり、また16nmプロセス以下の先端プロセスだけで見た場合のシェアは61%となる見込みだという。

ただし、台湾ファウンドリ各社が生産拠点をグローバルに展開していくにつれ、台湾域内の生産能力は相対的に減少することとなるため、2025年には世界の44%(300mmウェハに限定した場合でも47%、16nmプロセス以下では58%)へとシェアを落とす見込みだという。

なお、台湾政府は、TSMCが最先端プロセス技術を海外に持ち出すことを許可しない方針を貫いており、TSMC自身も最先端技術が海外に流出しないように気を使っている。熊本にてソニーならびにデンソーと共同出資で建設中のJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)も「成熟プロセス(mature process)」とTSMC自身が呼んでいる28~12nmプロセスが採用されるほか、米アリゾナ州に建設中のファブも現在の最先端となる5nmプロセスではあるが、稼働開始予定の2024年後半になれば、TSMCは台湾・新竹市のFab 20にて2nmプロセスのリスク生産を開始する計画であり、5nmプロセスが最先端とは言えない状況となっている見込みである。