デンソーと台UMCの日本拠点であるユナイテッド・セミコンダクター・ジャパン(USJC)は、車載半導体の需要拡大に対応するため、三重県桑名市にあるUSJCの300mmウェハ製造工場(元:富士通三重工場)におけるパワー半導体生産で協業することに合意したと4月26日に発表した。

今回の協業を踏まえ、両社は2023年上期に、USJCのウェハ工場に絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)製造ラインを新設し、300mmウェハでのIGBT生産を開始する予定としている。

生産能力については、段階的に増やして2025年までに月産1万枚を目指すとしているほか、デンソーのシステム目線でのIGBTデバイスおよびプロセス技術と、USJCの300mmウェハ製造技術を融合することで、高性能かつコスト効率の高いパワー半導体の生産を目指すとしている。この両社の取り組みは、経済産業省の「サプライチェーン上不可欠性の高い半導体の生産設備の脱炭素化・刷新事業費補助金」に採択されており、この補助金を活用することが予定されている。

デンソーの代表取締役社長である有馬浩二氏は、「自動運転や電動化などモビリティのテクノロジー進化の中で、半導体は自動車業界において、ますます重要になってきている。この協業により、電動車に必要不可欠なパワー半導体の安定的な調達を実現し、自動車の電動化に貢献する」と述べている。