マーティン氏が手掛けたオフィスとして、ノルウェーに本社を置く海運会社であるホーグオートライナーズを見学してきた。同社では、コロナ禍により希薄化した帰属意識を高めることを目的に、2021年8月にオフィス規模を縮小して移転したという。

  • ホーグオートライナーズ新オフィス

以前のオフィスは189坪であったのに対して、新オフィスは87坪だ。50席ほど設けていたという机も7席まで減らしている。これに伴い、リモートワークを基本として、必要時にのみオフィスへ出社する働き方へと変更したとのことだ。

  • リラックスできる打ち合わせスペース

新オフィスのデザインには、同社の事業と関連のある海や北欧を感じさせる意匠を取り込んでいる。週に数回の出社でも帰属意識を高めることを、視覚的にも訴える狙いがあるそうだ。特に、スタッコ仕上げを用いた壁はフィヨルドをイメージしたデザインとなっている。

  • フィヨルドをイメージした岩壁のある会議室

オープンなスペースを目指したという新オフィスは、ドアをなくし非常に開放感のある空間だ。「できるだけ壁を作らず、閉塞感を与えないよう工夫した」とマーティン氏。

  • 仕切りの少ない開放的なオフィス空間

ホーグオートライナーズでは、以前は部署ごとに作業机が分かれていたため、ほかの部署の社員とコミュニケーションを取る際には、カフェテリアなどへ移動していたとのことだ。新オフィスはフリーアドレスであり、部署を超えたコミュニケーションに垣根がなくなり、これまで以上に活発に行われているそうだ。

  • 東京タワーを眺めながらの作業や休憩も可能だ

(オフィス写真提供:ヴァン・ダー・アーキテクツジャパン)