DaaS(Desktop as a service)の定義
DaaSは、クラウド型の仮想デスクトップをサブスクリプションサービスの一部として企業に提供するものです。許可されたユーザーは、インターネットに接続されたデバイスで、どこからでも仮想デスクトップ経由で社内のファイルやアプリケーションを利用することができます。
DaaSとSaaSの違いとして、DaaSは会社で利用するすべてのアプリケーションへのアクセスを提供するのに対し、SaaSは1つのアプリケーションやプラットフォームへのアクセスのみを提供します。
また、エンドユーザーがファイルやアプリケーションにアクセスできるようにしたいと考えている企業にとって、同様の選択肢として仮想デスクトップ(VDI)があります。VDIとDaaSはどちらも仮想デスクトップを提供するソリューションであり、ユーザーはデスクトップ環境からアプリケーションにアクセスするものです。ただし、VDIは企業内のITチームがインフラの維持・管理を行う一方で、DaaSの場合はその作業をプロバイダーが行います。
DaaSの長所
それでは、DaaSの長所を紹介しましょう。DaaSには、次の4点の長所があります。
ビジネスの成長に合わせて、簡単に拡張可能
新しい社員が入社した際に、すぐにデスクトップ環境を追加して提供可能。
すべてのリソースへのアクセスを一元化
仮想デスクトップをクラウドから提供することで、アプリやファイルに1カ所からアクセスできるようになる。クラウドプラットフォームを利用することで、管理者はユーザーのニーズに応じて、新しいアプリやデータを動的にプロビジョニングすることが可能
リモートワーカーやハイブリッドワーカーの柔軟性を向上
仮想デスクトップは、いつでもどこからでもアクセスできる上、さまざまな端末から利用できる。
セキュリティの強化
すべてのデータがクラウドに保存されているため、デバイスの紛失や盗難による被害を受けない。
DaaSの短所
対するDaaSの短所は、次の2点となります。
トレーニングが必要
DaaSソリューションによっては、従業員が自分のデスクトップにアクセスする方法を学ぶのに時間がかかる場合がある。
コスト
デバイス単位の課金形態の場合は、使用権利の管理が複雑になる。ユーザー課金などのメニューを持つDaaSプロバイダーを選択することで、柔軟な対応が可能な場合もある。
どのクラウドサービスを選択すればいいのか?
クラウド型のインフラは、従来のオンプレミス型のものに比べて、拡張性、安定性、コスト、セキュリティやオートメンションなど、さまざまなメリットがあり、費用対効果や拡張性の高いソリューションを求める企業に多くのメリットをもたらします。
今後もクラウドサービスの利用を検討される企業は増えていくと思いますし、またすでにクラウドを利用している企業は見直しをされるかもしれません。自社が求めるクラウドサービスはDaaS、SaaS、PaaS、IaaSのうち、どれが適切なのか、特徴を把握しておくことが重要です。業界、業種、採用したい働き方など、企業の課題を十分に踏まえ、適切な導入を検討してください。